
「子どもを療育につれていくのがつらい。療育のやめどきっていつなんだろう?それまで耐えられるかな…」
こういった質問を頂きました。このテーマについて、僕なりの意見を書いてみようと思います。
- 療育のやめどきは「続けるのがつらい」と感じたら
- つらいのに無理して継続するのが療育ではない
- 療育がつらい人がやるべきこと
子どもの療育を続けている中で「続けるのがしんどい…」と思っていませんか?
でも、子どもの成長を考えた時、周囲からは「療育はすばらしいもの」「絶対に続けた方がいい」と言われてしまうことが多く、悩んでしまいますよね。
この記事では、『療育を続けるのがつらい』と感じている人に向けた記事です。
僕自身は、療育で支援を提供する側の人間ですが…、忖度なしで個人的な意見を書いてみようと思います。
療育のやめどきは「続けるのがつらい」と感じたら



「つらいなら、無理して通わせる必要はない」と思います。
そもそも、療育の目的はなにか?
児童発達支援ガイドライン(厚生労働省)には、以下の記載があります。
児童発達支援は、障害のある子どもに対し、日常生活における基本的な動作の指導、知能技能の付与、集団生活への適応訓練、その他の便宜を提供するものである。
児童発達支援ガイドライン:厚生労働省
ちょっと難しいですね。要するに、子どもが生活の中で困っていることの支援を検討する場といえるかと。
ときどき、このように誤解している人がいますが、違います。障害をもつ子の全員が療育をうけなくてはいけないというわけではありません。
「必要であれば、提供されるサービス」という感じでしょうか。
質問:あなたの療育への感情は?
この記事を読んでいる人は、おそらく既に療育をうけていて『やめる or 続ける』を悩んでいるのでは?
現在、あなたが療育にどのような感情をもっていますか?
- 役に立つ
- 頼りになる
- つらい
- 辞めたい
- 意味がない
いろいろな意見があると思います。
なんとなく、「療育は必要なもの」みたいな社会の風潮があるので、ネガティブな感情は出しにくいかもですが、ここは自分に正直になりましょう。
療育に通わせるのがつらいなら、無理する必要はない
「つらい」「辞めたい」「耐えられない」など、ネガティブな感情が先行するなら、無理して通わせ続ける必要はないと思います。
「共働きで通わせるのは大変だけど、役に立つな」とか、「移動がしんどいけど、行く価値はあるな」とか。こういった感情の人は、つらい原因を取り除くための検討が必要。
※でも、療育そのものが「つらい」というのでれば、話が別です。
療育は、つらさに耐えて、歯を食いしばって継続すべきものではありません。もっと、楽しみながら、意義を感じながら取り組むものであるはず。
これが結論です。少しでもポジティブな気持ちで生活を送れるように、行動してみましょう。
「療育をやめたほうが、日々の生活が穏やかになる」と判断するなら、その時がやめどきかもしれません。
とはいえ、いきなりやめるのではなく、状況が好転する方法を模索してみるのも良いと思います。何をすれば良いのか?その一例を次に紹介しようと思います。
療育を続けるのがつらい人がやるべきこと



とにかく、生活の中で「納得」を増やしましょう。
つらい原因を整理しよう
まず、「療育がつらい」と感じる原因は何でしょうか?よくある原因について、対策を考えてみました。
- 担当者と合わない
- 施設の方針と合わない
- 「療育」自体に納得がいかない
順番に、解説します。
担当者と合わない←変更しよう
よくあるのが、担当者との意見が合わないということ。誰でも人間関係の「合う・合わない」はあるものです。
療育に関することは、相性も大切です。かなりプライバシーに踏み込んだような相談も出てくる場合が多いので、信頼できる人に話を聞いてほしいですよね。
「この人と合わないな…」と感じながら通わせるはシンドイです。担当者の変更ができないか、施設に聞いてみると良いと思います。
ここは見解が分かれるかと思いますが、僕は「親との相性」を優先すべきだと思います。
経験的に、親と相性が良ければ、子どもとも良好な関係を築ける場合が多いからです。たぶん、子どもなりに親と相手の関係性を感じ取るんでしょうね。
まずは、保護者が安心して相談できることが大切です。
施設の方針と合わない←他を探そう
施設の方針と家庭の方針が合わないというのも、わりとよく聞きます。子育てで大切にしたいことは、家庭ごとに異なって当然です。
少し前までは、療育施設が少なかったので、家族に選択肢がほとんどありませんでした。でも、今は状況が変わってきています。
思い切って、通う施設を変えてみるのもひとつの方法かもしれません。住んでいる地域にどのような施設があるのか、市役所などに聞いてみましょう。
「療育」自体に納得がいかない←辞めよう
「そもそも、療育なんて受けさせたくない。でも、保育園から勧められてしょうがなく受けていた」というケース。
この場合は、いったん療育から距離をとるのもありだと思います。
前提として、療育は強制されて受けるものではなく、任意のサービスです。保護者が納得した上で提供されるものだと思います。
まずは、現状の子どもの状態を客観的に見て、療育の必要性を判断しましょう。その際に、医師や専門家の意見を参考にするのも良いと思います。
でも、最終的には、「〇〇に言われたから…」ではなく、「この子に必要だから」という納得のもとに始められると良いかもしれないですね。
自分たちに合った支援を
というわけで、今回はここまで。
基本的には、療育は保護者が納得した上で、無理なく取り組めると良いと思います。
繰り返しになりますが、療育はつらいのを我慢して、歯を食いしばって取り組むものではありません。
「つらい…」「もうダメだ…」となっているなら、やめどきです。
とはいえ、環境を変えれば好転するかもしれません。療育自体を辞めてしまうのではなく、自分に合った療育施設を探してみるのも良いかと思います。
追伸:
ことばの発達に関する療育に興味がある人へ。
『ことばの発達:完全ガイド(はぐくみブログ)』では、幼児期のことばの発達については詳しく・分かりやすく解説しています。ぜひ、お読みください。