
「子どものために、療育を頑張ったほうが良いって言われるけど…、今まで頑張ってきた仕事だって続けたい。無理なのかな…」
こうったテーマで記事を書いてみようと思います。
- 療育と保育園の併用はアリだと思う
- 親の自己実現だって大切
- 併用するときに気を付けるべきこと
「我が子に障害がある場合、仕事を辞めて、子どもの療育に専念した方がいいのでしょうか?」
こういったご相談をうけることも多いです。
結論からいうと、僕は仕事を続けたいと思っているのであれば、保育園を利用しつつ、親自身の自己実現を大切にすべきだと思っています。
今回は、僕がよくお話している内容を記事にしてみました。
療育と保育園の併用はアリだと思う【親の自己実現だって大切】



もちろん、併用はアリです。うまく利用して自分の時間を作りましょう。
迷っている理由は、何ですか?
たぶん、この記事を読んでいる人は「療育と保育園の併用は難しいのかな…?」と不安を感じているのでは?
または、「子どものために、仕事を辞めて療育に専念しなくては!」と思っている人もいるかもしれません。
結論からいうと、親のやりたいことも大切
僕はこう思います。親が自分の人生を歩んでいる姿を見せることも、子育ての中で大切なことの一つだと思うからです。
子育てに振り切らなくても良い理由
子どもに障害があると分かったとき、「手厚い関わりの中で、少しでも成長させてあげたい」と思う気持ちもよく分かります。
でも、以下の理由から、親の全ての力を子育て・療育に注がなくても良いのでは?というのが僕の意見です。]
療育と保育園の併用で悩んでいる人の中には、以下のような人も多いと思います。
- 今まで、仕事を頑張ってきた
- 趣味の時間が、充実している
- 資格取得のための勉強中
など。要するに、自分の時間を大切にできる人。僕は、このことがとても大切だと思っています。
親が自己実現のために努力していたり、充実した人生を歩んでいる姿を見せてあげることが、子ども成長に悪影響を与えるとは思えません。
もちろん、だからといって、子どもそっちのけで自分のことばかりやっていれば良いというわけではないですよね。何事もバランスが大事です。
うまく、支援の場を組み合わせながら時間を作っていけると良いと思います。
- 月1~2回のリハビリ
- 週1~2日の通園
- 週3日の保育園
上記のような感じなら、週の半分は療育。でも、平日の日中は親の時間が持てると思います。
療育の中にも、個別指導、集団療育、通園、発達障害向け塾、児童発達支援…など、最近では種類が増えてきています。
ライフスタイルに合わせてうまく組み合わせましょう
とはいえ、あれもこれもと併用しまくるのは親子ともに混乱しやすいので、気を付けましょう。必要だから利用する、という意識が良いかと。
》療育の掛け持ちは可能です。しかしオススメしない理由【混乱を避ける】
ちょっと悲報:でも、併用は大変です。
仕事をしながら保育園に預けている人に比べると、保育園+療育と併用する場合にはそれなりにシンドイです。
- 用意する道具が場所によって違う
- 送り迎えの仕方が場所によって違う
- 先生が求めることが場所によって違う
なので、以下のような朝のスケジュールになります。
・月曜:〇〇の準備をして保育園に連れていく
・火曜:▲▲の準備をして通園の送迎バスを待つ
・水曜:〇〇の準備をして保育園に連れていく
・木曜:リハビリの日なので仕事を休んで連れていく
・金曜:〇〇の準備をして保育園に連れていく
上記のような感じ。毎日が同じ準備ではないので、ちょっと大変ですよね。
でも、「慣れますよ~」って言う人が多い
僕が療育でお会いする保護者の方に「大変ですよね?」とお聞きすると、ほとんどの方がこのように言います。
ある人は「ゴミの日って曜日で変わりますよね?そんな感じですよ」と言っていました。ちょっと極端ですかね。笑
「慣れる」とは言うものの、その裏には大変なこともあるわけですし、無理しすぎずに過ごして欲しいなと思っています。
療育と保育園の併用で気を付けるべきこと【無理はしない】



無理はしすぎず、親も子も楽しい人生を過ごしましょう。
無理はしないこと←これに尽きる
保育園を子育てのリソースとして考えるのもアリだと思います。
毎日の生活が無理なく過ごせること
まずは、これが優先で良いと思います。その上で、療育と保育園のそれぞれで気を付けておくと良いことを紹介しますね。
療育で気を付けること
「保育園で出来ることは任せる」「保育園との連携を相談する」の2つが大切だと思います。
保育園でうまくいっている部分は、保育園で経験を積み重ねるようにしましょう。保育園で積み上げきれない部分を、療育で支えてもらえると良いと思います。
例えば、保育園で加配の先生についてもらうことで集団生活を練習できるなら、療育では集団指導よりも個別指導を重視しても良いかもです。
- 保育園→集団生活の練習
- 療育→個別でスキル獲得
このようなイメージでしょうか。
「保育園でうまくいっている部分は何か?」ということを保育園の先生とこまめに連絡をとれると良いですね。
可能なら、療育と保育園で連携をとってもらえると、上記のような役割分担がスムーズになるかもしれません。
例えば、療育のスタッフが、保育園に出向いてアドバイスをするような「巡回相談」といった枠組みがあれば利用を検討してみましょう。
スタッフ間で顔の見える関係性ができていると、何かと連携しやすくなります。
保育園で気を付けること
まず、「子どもの心身の安全が確保されること」が大切。その上で、保護者の仕事の内容に合わせた預け方ができるかどうかは事前に確認しましょう。
例えば、障害をもつ子の中には、同年代の子よりも体格が小さかったり、運動の発達がゆっくりだったりする子がいます。
その場合、集団生活の中で怪我をしないように加配の先生をつけてもらったり、在籍学年を検討したりする必要があるかも。
『安全に過ごせる』ということ、これがまず大切だと思います。
上記のように安全の確保のために加配の先生をつけてもらう場合、延長保育の対応が可能かどうかもしっかり聞いておきましょう。
このあたりは地域差が大きいようですが、僕が働いている地域では加配の先生がつく子の延長保育ができる園とできない園があります。
これによって、親の働き方も変わってきますよね。事前に、保育園と相談してけると良いと思います。
まとめ:親も子も、楽しい人生を
というわけで、今回はここまでにしようと思います。
繰り返しになりますが、療育と保育園の併用はアリだと思います。
保育園は子どもにたくさんの経験をさせてくれます。障害がある子にも良い刺激がたくさんです。
うまく利用しながら、保護者の時間も大切にしてほしいと思います。
追伸:
ことばの発達に関する療育に興味がある人へ。
『ことばの発達:完全ガイド(はぐくみブログ)』では、幼児期のことばの発達については詳しく・分かりやすく解説しています。ぜひ、お読みください。