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【発達障害】子どもがすぐに泣いてしまう【感情表現の苦手さが原因の場合がある】

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先日、以下のようなご相談がありました。

発達障害+言語発達遅滞と診断されている4歳の子。嫌なことがあるとすぐに泣いてしまいます。いちいち泣かれるので、親としても疲れちゃう…。少しくらいの嫌なことだったら、泣かなくなる方法はないでしょうか?

お気持ちはよく分かります。泣いている子をなだめたり、納得させたりといった一連の流れ。結構疲れますよね…。

実は、ことばの発達がゆっくりな子の子育ての相談の中で、上記のような内容はよくお聞きします。

そこで、今回は上記のような「すぐ泣く子」へのアドバイスを「ことばの発達」という視点から書いてみようと思います。

子どもがすぐに泣いてしまう【感情表現の苦手さが原因の場合がある】

「泣く」という行動で、いろいろな感情を処理しているのかもしれません。

質問:お子さんは感情を適切に表現できていますか?

誰でも赤ちゃんの頃は『不快』の感情を「泣く」ことで表現しますよね。この『不快』には以下のような様々な感情が含まれます。

  • 気持ち悪い
  • お腹すいた
  • つらい
  • 苦しい
  • イタイ

など。

さらに質問:あなたは上記の感情をどうやって伝えますか?

たとえば、具合が悪いときに病院で症状を伝える時に、泣いて伝える人はいないですよね。

大人になると、様々な感情を『ことば』にして表現できるようになります。

あふれる感情を「泣く」ことで処理しているのかも

でも、子どもたちの中には、感情をことばにすることが苦手な子がいます。

自分の中で湧き上がってきたモヤモヤとした感情。これをどうやって表現して良いのか分からずに泣いてしまっているのかも。

『泣く』というのは赤ちゃんの頃から持っている表現手段ですからね。困ったら泣いて訴えることにするのは理にかなっています。

実は、ことばの発達がゆっくりな子に多い

「感情語」って抽象的なことばなので、習得につまづく子ってソコソコいるんですよね。

「りんご」「たいこ」などの具体物は目に見えるので覚えやすいですが、「悲しい」「シンドイ」などの感情は見ることができません。

目に見えない「感情」を、ことばとして理解するのには時間がかかります。ことばの発達がゆっくりな子は特に、じっくりと時間をかけながら学ぶ必要のある語彙です。

成長にともなって、行動を言語に置き換える

「泣く」という行動。これは、何かしらの「不快さ」から引き起こされていることが多いと思います。

子どもたちは、成長するにつれて、自分の感情をことばで表現できるようになってきます。

「不快→泣く」から「不快→言語化」へ

今まで泣いて訴えていたことが、言葉で表現できるようになると、少しずつ泣いて訴えることが減る場合があります。

「泣いて、分かってもらう」から「ことばで説明する」に成長していくわけですね。

適切に感情を表現できるようになると、泣いてしまう頻度も減る

感情を言語化できることは、感情コントロールの面でも重要です。

感情をことばで表現できることが大切

では、どうやったら感情を自分のことばで伝えられるようになるのでしょうか?

以下の3つが大切だと思っています。

  • 大人の感情表現を見る
  • 感情を言語化してもらう
  • 感情を受け止めてもらう

それぞれについて、解説します。

大人の感情表現を見る

まず、大人がどうやって気持ちを伝えているのかというモデルを見ることが大切。

生活の中で、大人自身の感情を積極的にことばにして聞かせてあげましょう。

そのとき、ポジティブな感情だけでなく、ネガティブな感情の表現のモデルを見せてあげるのがコツです。例えば、以下のような感じ。

  • 「今日は、〇〇が楽しかったな」
  • 「お仕事がんばりすぎて、疲れちゃった」
  • 「〇〇壊れちゃって、ショックだったな」

など。案外、僕ら大人って子どもに自分の感情を伝えてなかったりするんですよね。

子どもに豊かな感情表現をしてもらいたいなら、自分の気持ちもことばにして聞かせてあげましょう。

感情を言語化してもらう

生活の中で、子どもが感じていそうな気持ちを大人が言語化しながら関わるのもオススメです。

  • 「〇〇でうれしいね!」
  • 「ちょっと残念だったね」
  • 「めちゃくちゃ悲しいね」

など。こちらも、子どもが感じていそうな気持ちをそのまま言語化してあげるのがポイント。

「僕のこの気持ち、〇〇って言うんだ」という気づきを与えるイメージです。自分が感じている気持ちがその場でことばになることで、覚えやすくなります。

感情を受け止めてもらう

上記と似ていますが、どんな感情でもしっかりと親に受け止めてもらう経験が大切だと思います。

泣いているときに「泣かない!」と言われたり、転んでしまったときに「痛くない!大丈夫!」と言われたり。

自分の感じている気持ちと異なることを大人に言われ続けると、感情を相手に伝えるメリットを感じられないですよね。

僕の気持ち、分かってもらえた

このように共感してもらえた経験が、後のコミュニケーション意欲につながっていくと思っています。

泣くこと自体が悪いわけではない

ときどき「泣かないようにするために、どうしたらいいでしょうか?」とご相談をうけることがあります。

でも、僕は「泣く」こと自体は別に悪いことじゃないと思うんですよね。立派な感情表現です。オリンピック選手や甲子園球児の涙などは感動を誘うわけですし。

大切なのは感情表現のバリエーションを増やすこと

泣くことをなくすのではなく、『泣く以外の表現方法を身につける』が良いかと。泣いていい場面では泣いた方がいい。子どもですし。

『感情を育てる』という視点を、僕ら大人は忘れちゃいけないな、と思います。

まとめ:子どもの感情表現を大切に育てよう

というわけで、今回はここまで。

最後に、この記事をまとめます。

  • 感情表現の苦手さゆえに、すぐに泣いてしまう場合がある
  • 気持ちの言語化によって、泣かずに済むことが増える
  • 感情を育てるために、大人のモデルは重要

こんな感じでしょうか。

子どもの行動の裏にある気持ちを考えよう

「泣く」「怒る」などの行動の背景には、子どもの気持ちが隠れていますよね。

子どもが抱えている気持ちをうまく表現できないために、行動で示しているのではないか?という視点も大切です。

感情表現のバリエーションを広げる

そうすることで、うまく相手に気持ちを伝えられるようになるのではないでしょうか。

「泣く」といった行動をやめさせるのではなく、「泣く」以外にも気持ちよく伝える方法があるよ、ってことを伝えられるような支援をしてあげたいな、と思います。