
「子どもの発達が心配…。でも、療育に行くべきかどうか分からない。行くことで後悔しないかな?」
こういったテーマの記事を書いてみようと思います。
- 先輩保護者に聞いてみました!
- 【療育の後悔】偏見から開始が遅れたこと
- やらない後悔より、やって後悔がいい
子どもの発達が心配なとき、「療育に行ったほうがいい」って言われますよね。
でも、正直「療育」って中身が分からないので不安って人もいるのでは?
「療育に行くと、子どもの将来の可能性を狭めてしまう」「障害のレッテルを貼られてしまう」と悩んでいる人も多いと聞きます。
実際に、どうなんでしょうか?
僕は支援者側なので、今回は僕が過去に担当した子の保護者の方と話す機会があったので、当時の様子をインタビューしてみました。
療育の後悔は1つだけ!偏見から開始が遅れたこと



「偏見から誤解をしていたことが、後悔の原因でした」
【インタビュー】療育に関する後悔は?
※Aさんにお話を聞きました。Aさんは、発達障害をもつ子を20年間育てた母親です。僕は15年くらい前から関わらせていただいています。
以下は、Aさんから聞いた話をまとめる形で記事にしました。記事の掲載については、Aさんからもご了承いただいています。
子どもに発達障害があるかもしれないと考え始めた頃、療育に関して以下のように先入観をもっていました。
- 「療育=障害児」と認定される
- 大変なトレーニングが待っている
- 育て方を指摘されてしまう
いずれも誤解だったんですが、「自分の子どもに障害があるなんて…」といった不安でいっぱいな中、冷静に考えることができなかったんですね。
全てを否定したかったというか…。
誤解①:「療育=障害児」と認定される
療育に通い始めると「障害児」といったラベルを貼られるような気がしていました。
でも、違いましたね。たしかに、医師の診察で「発達障害」と診断されることにはなったのですが、「それがきっかけで障害児扱いされる」ということはありませんでした。
こういうと語弊があるかもですが、見た目は普通の男の子ですから。カミングアウトしなければ、別にいつも通りです。
ただ、診断されることで専門的な支援を受けられるようになったのは良かったです。しかも、医療の枠組みで保険が適応されるので、かなり安価。
はじめて、日本に住んでいて良かったと思いましたよ。笑
誤解②:大変なトレーニングが待っている
もう一つの誤解として、療育に行くと「つらくて大変な訓練」を受けなくてはいけないと思っていました。
かわいい我が子。まだ幼いのに、泣きながら歯を食いしばって訓練に耐えるなんて…。そんなの見ていられない!
上記のように思っていました。冗談みたいな話ですが、本当なんです。
今は「親の会」であったり、通っている「保育園・幼稚園」に療育の先輩がいることもめずらしくなくなったので、わりと情報は入ってくるのかもですが、当時は違いました。
情報がないと、悶々とひとりで悪い方に考えてしまいますからね。「早く誰かに相談していれば良かった」と今なら思えます。
実際に療育に行ってみると、「遊び」みたいな感じ。子どももゲラゲラ笑いながら取り組んでいるわけですよ。拍子抜けしたのを覚えています。
誤解③:育て方を指摘されてしまう
さらに、療育に行くと「お母さん、〇〇しないとダメですよ!」って叱られると思ったんですね。
当時の私は、子どもにテレビも見せるし、共働きだったので寝かせる時間も遅くなりがち。
「親の育て方のせいで、子どもが育たない」なんて言われたら、私の気持ちがもたないと思っていました。
なので、かなり身構えて療育に行きましたね。たぶん、めちゃくちゃ怖い顔していたんじゃないかと思います。
でもね、実際には私の子育てを、否定されるようなことはありませんでした。むしろ、共感して、寄り添ってもらえて、すごく気持ちが楽になりました。
心のどこかで、「私のせいで…」って思っていたんでしょうね。これを最初に「お母さん、頑張ってるね」と否定してくれたことで、当時の私はかなり救われました。
誤解はすべて偏見だった
と、いうわけで、療育に通い始める前に感じていた偏見は、全て誤解だったわけです。
唯一の後悔は、こういった偏見のせいで1年くらい悩んでいたこと。療育の開始が遅れてしまったことです。
療育を1年早く始めたからといって、息子の発達が変わったかといわれると微妙だなと感じます。でも、早く相談できていたら、私の気持ちが早く楽になったんじゃないかと思っています。
これが、私の「療育の後悔」ですね。悩んでいる1年って、めちゃくちゃ長く感じるじゃないですか。
療育での後悔を恐れないで!まずは経験してみよう



「悩んでいるなら、やってみるといいと思います」
【インタビュー】今、昔に戻れるとしたら?
「もし、療育を受け始める前に戻れるなら、どうしたいですか?」
まぁ、戻ることはできないのでね。あまり考えたことはないですが、以下の2つはやってみたいと思います。
- 早めに療育を受けてみたい
- 視野を広くもって選んでいきたい
希望①:早めに療育を受けてみたい
繰り返しになりますが、ウダウダ悩まず、早めに療育を受けてみたいですね。
でも、思い返してみると「悩んだ時間も無駄ではなかったな」とも思っています。「これだけ悩んで決めたから」という気持ちにもなれましたし、子育てに真剣に向き合う時間にもなりました。
これが悩んだ時間があったからなのか、早めに療育を受けても同じだったのか、分からないですけどね。でも、やっぱり早く相談にいって、早く楽になりたかったです。
希望②:視野を広くもって選んでいきたい
当時は不安でいっぱいで視野が狭まっていました。「療育といえば、あそこに行くしかない」と勝手に思い込んで。
今思うと、選択肢はいくつかあったはずなんですよね。いきなり医療機関にいって診断をうけなくても、通園施設を利用したり、親の会に相談したり。
そのような情報を、自分から集めるべきでした
悩みの絶頂のときには、視野が狭くなりがちです。なので、早めに相談できるところとつながって、広い視野で子どもの成長を考えてみたいなと思います。
やらない後悔より、やった後悔の方がいい
最後に、これまで様々な選択をする場面がありました。「就学先の選択、学校でうまくいかない時の対応、母親自身のキャリア…」など。
過ぎ去って残っているのは「やらなかった後悔」ばかり。案外、やってみたけどダメだったという後悔は残っていないものです。
「あのとき、〇〇をやっていたら…」このように思わないためにも、思い切って飛び込んでみるのが良いと思います。私は、そうやって子育てしてきました。
やってみてダメだったら他の道を探せばいい。でも、やらないと後悔もないけど、成功もない。
「療育の後悔」とは話が逸れますが、基本はこのように思っています。