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子どもがドラマーに!?重症心身障害児でも遊びやすい玩具【クリップヒット】

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重症心身障害をもつ子を育てる母親「寝たきりで手や足の動きが少ない子でも遊べるおもちゃはないかしら?機械系には疎いので、できれば改造とかが必要なくて買ったその日からすぐに遊べるものがいいな。具体的なおもちゃを紹介してほしい」

このような疑問にお答えして、クリップヒットという電子ドラムをご紹介します。

クリップヒット(ClipHit)とは?

クリップを身の回りのものに取り付けるだけで、クリップをつけたものがドラムに変身する新発想のクリップ・ドラム・キットです。

付属のセンサー内蔵クリップを取り付けた雑誌や机、ダンボール、お菓子の箱などが、スネア、ハイハット、シンバルといった打楽器に変身します。

ようするに、クリップをつけたものを叩くとドラムのような音がスピーカーから聞こえてくるようになります。

価格は本体が9,900円~で、オプションでACアダプタやヘッドホンをつけると値段があがりますが、重症心身障害をもつお子さんが遊ぶのであれば、本体だけでも良いかもしれません。

実際の演奏のイメージは以下の動画をごらんください。

KORGホームページより

本来は、動画のように大人がドラムの練習をしたり、パフォーマンスのひとつとして使用されることが多いようです。

付属のセンサー内蔵クリップの感度が良いので、重症心身障害により寝たきりで体の動きが限られているお子さんでも、少し触れただけ、偶然に振っただけでも音がでます。

お子さんが握りやすいものにクリップをつけたり、お子さんのお洋服の裾にクリップをつけたりすることで、お子さんが握っているものを落としたり、手の動きにつられてお洋服の裾が床にあたったなどによってドラムの音を鳴らすことができます。

クリップヒットの準備

クリップヒットの準備はいたって簡単。以下の3ステップで完了です。

  1. 電源を入れる
  2. クリップを本体にさす
  3. 何かにクリップをつける

クリップヒット本体

たまごのような外観のスピーカー内臓の本体です。

電源を入れる

電源ボタンは本体の横についています。

ちなみに、写真の「ROCK」「POP」などと書いてあるつまみを回すと、電子ドラムの音が変化します。

クリップを本体にさす

写真のようなクリップがついてきます。これを本体に差し込みます。

差し込む場所も本体の横にあります。差し込む場所によって音が異なります。

何かにクリップをつける

何かにクリップをつけて叩けばドラム音が鳴ります。写真では丸めた紙にクリップをつけてみました。

重症心身障害児にクリップヒットがおすすめなわけ

電池で遊べる

本体は単三電池4本で最長6時間の駆動が可能です。

お子さんが使用する際に、電池で動くためコンセントを利用する場合にくらべて安全です。また、電池で動くため使用する場所を選ばず、好きなところに持っていけることも魅力のひとつです。

ただし、兄弟や大人も遊びたいという場合には、別売りのACアダプタも購入した方が電池の消費を考えると良いかもしれません。

クリップの感度が良い

本体のボリュームを上げておくと、クリップに少し触れただけで音が鳴ってくれます。

そのため、お子さんの限られた体の動きの中でも、音を鳴らせる動きや状況を作ってあげられるかもしれません。

音が本格的・かっこいい

操作が簡単なおもちゃは新生児用のものが多く、見た目が子どもっぽいものがほとんどです。

クリップヒットは、大人が使うような電子ドラムとして販売されているものですので、音のクオリティはそれなりに高くなっています。

そのため、家族で歌を歌うとき、施設でのカラオケ大会などで使っても本格的な音を楽しむことができ、年齢が上がった方でも楽しんでいる姿が子どもっぽい感じになりません。

なにより、こんなものを使っていたら周囲の人はびっくりしますよね。この「びっくり」がコミュニケーションの場面(例:「できたね」「上手!」等と声かけをしてもらいやすい状況)を生み出してくれます。

因果関係が分かりやすい

自分の体が動いたこと、物に触れたことなどを音でフィードバックしてくれます。

重症心身障害をもつお子さんたちは、「〇〇したら、〇〇になった」といったような因果関係をつかむことに苦労する場合が少なくありません。

自分がなにかしら外の世界にはたらきかけたことで、外界に変化が起きるという経験を積むことは、コミュニケーションを育てる上でもとても大切です。

なぜなら、人とのやりとりも、自分が何か伝えることで、相手の思考・行動を変化させることができるのがコミュニケーションだからです。

具体的には、自分が相手に「とって」と伝えると、相手が動いて物を持ってきてくれますよね。

そのような因果関係の基礎をはぐくむために、自分の動きや操作の結果が音でフィードバックされるクリップヒットは発達促進にもつながると思います。

子どもが持ちやすいものにつけられる

お子さんが持ちやすいものにつけることができます。

例えば、くしゃくしゃに丸めた紙にクリップをつけたり、いつも好んでいるぬいぐるみにつけたり、お子さんが握りやすいボールにつけたり。

もし、物を持ち続けることが難しいお子さんでも、首を回旋できるお子さんでしたらえりもとにクリップをつけてもおもしろいかもしれません。

お子さんがあつかいやすいように、クリップの場所を工夫できるのがクリップヒットの魅力です。

類似商品との比較

電子ドラム

重症心身障害をもつお子さんでは、バチをにぎれたとしても、ねらった場所を叩けないと上手く音が出せないことが多いです。価格は6,000円程度とクリップヒットよりも安価である場合が多いので、お子さんの能力次第ではこちらの方がよいかもしれません。

エアドラム

何かものを叩かなくても、バチさえ降ることができれば音が鳴ります。バチを握って振れる能力のあるお子さんであれば、楽しめるかもしれません。ただし、価格が25,000円程度とクリップヒットよりも高い場合が多いようです。

まとめ:重症心身障害をもつ子に楽しい遊びの時間を!

重症心身障害をもつお子さんでも楽しみやすい玩具として、クリップヒットを紹介しました。

身体に重度の障害をもっているがゆえに、自分から外の世界に働きかけるという経験を積み重ねにくいお子さんたちが多いです。

しかし、クリップヒットはわずかな体の動きで遊ぶことができ、自分の体の動きによって音が鳴るといった因果関係を経験させることができます。

能動的に、自発的に物や人に関わる経験は、コミュニケーションの力をそだてます。

クリップヒットを使ったお子さんとのコミュニケーションをとおして、楽しい遊びの時間をお過ごしください。