
「雑談が盛り上がらない。会話で相手を楽しませられないようじゃ、言語聴覚士として失格かな…」
このようなテーマの記事です。
- 雑談力は言語聴覚士に必要なのか?
- フリートークは雑談じゃない
- 言語聴覚士に必要な力とは?
言語聴覚士として働く中で、対象者との会話がうまくいかずに悩んでいませんか?
同僚の仕事ぶりをみていると対象者と楽しそうに会話をしていて、自分の雑談力のなさに失望する日もあるかもしれません。
でも、対象者との会話がうまくいくかどうかは、雑談力とは関係ないと思います。
結論からいうと、言語聴覚士の行うフリートークは雑談ではないので、知識と経験に裏付けられた「臨床力」がなせる技。
なので、言語聴覚士としての力量が上がってくると、フリートークの質も向上してくることが多いです。
でも、一朝一夕で「臨床力」を上げることはできないですよね。そこで、この記事では日々の臨床で必要な心構えを語ってみようと思います。
目次
雑談力がない人は、言語聴覚士に向いていないのか?



雑談力の有無は、言語聴覚士の適性に関係ないと思います。
結論:雑談力はオプション
僕の周りの言語聴覚士をみていると、雑談力があると感じる人は一握りです。
そういう僕も、雑談力ゼロです。雑談が苦手なことを自覚しており、雑談力の高い友人をみているとうらやましくなります。
ちまたには、『雑談力』をテーマにした書籍やセミナーがたくさんあります。
しかし、雑談力を高めたら質の高い臨床ができるわけではありません。当たり前ですよね。
雑談力は臨床に直結しない
雑談力はあるにこしたことはありませんが、臨床の「核」になるものではありません。
あくまで『オプション』だと思います。
なぜ、雑談力なしでも大丈夫なのか?
たぶん、賛否両論あると思いますが、僕なりの意見を書いていきますね。
雑談力のある人をみていると、「いつも会話が盛り上がっていてすごいな…」と感じることもあるのでは?
でも、対象者・家族に専門職として関わる上で、友だちと話すときのように盛り上がって話す必要はないですよね。
求められるのは「楽しい会話」ではなく、「分かりやすい説明」「意図をもったコミュニケーション」だと思います。
同様に、会話を維持して盛り上げるために、次から次へと話題を出しながら話す必要もないと思います。
むしろ、僕らが関わる対象の方は、会話・コミュニケーションの支援を必要としている人が多いはず。
1つ1つの話題について、じっくりと、丁寧に、対象者主導で会話できるようにサポートすることが求められていますよね。
フリートークは雑談じゃない
これに尽きると思います。
言語聴覚士が行うフリートーク。時々、他職種からは「おしゃべりしている」みたいに思われることがあるかもですが、ここにはプライドを持ちましょう。
僕らがやるフリートークは、ただの雑談ではありません。会話の中で評価やサポートを行っていますよね。
というわけで、言語聴覚士の適性として、必要なのは雑談力ではないと思います。
「じゃあ、何が必要なんだよ?」っていう疑問に、僕なりの回答を以下でしていこうと思います。
言語聴覚士に必要なのは、一生懸命になれるかどうか



一生懸命に働きましょう。ちゃんと、相手のことばに耳を傾けましょう。
「一生懸命」には、誰でもなれる
当たり前すぎて、拍子抜けしたかもしれませんが、僕は「一生懸命になれること」が大切だと思っています。
一生懸命になる対象にはいくつかあって、その例は以下のとおり。
- 対象者や家族
- 自分自身
- 知識獲得
言語聴覚士として働く上で、その時その時に必要なことに、しっかりと向き合って努力できるかどうかが重要だと思います。
1年目なら1年目なりに、5年目、10年目ならその経験年数なりに、一生懸命になるべき事項は変わってきますよね。
雑談力や愛嬌などは、ある意味センスが必要ですよね。努力することで伸ばせる部分もあるかもですが、やはり努力だけではどうにもならない部分もある。
その反面、「一生懸命になる」ならセンスは必要ありません。誰でも、ちゃんと意識して努力すればOKです。
そして、やっぱり「一生懸命な人」は魅力的です。加えて、長期的にみれば確実に実力もついてきます。
この人に伝えたい、と思える存在に
言語聴覚士の適性と言われたら、僕はこれだと思います。
「この人の話を聞きたい」ではなく、「この人に伝えたい」と思われる存在。
このように思われるためには『信頼』が必要。信頼してもらうために必要なことは、ベラベラ話して場を盛り上げる力ではなく、もっと地道で泥臭いものだと思うのです。
よく言われることですが、相手の話をよく聞いて、対象者を理解しようとする気持ちが大切だと思います。
僕自身も病気で入院したことがあるのですが、その時に一生懸命に僕のことを考えてくれている看護師さんにはとても救われました。
また、子育ての悩みを一生懸命に聞いてくれる保育園の先生のことも信頼しています。
『ちゃんと相手に興味をもち、しっかりと考えようとする姿勢』抽象的ですが、これこそが言語聴覚士に必要な力だと思います。
すぐには身につかない。経験を通して学んでいこう
結局のところ、こういった力はすぐには身につかないですし、産まれつきのセンスでもないと思います。
毎日の臨床の中で、磨き上げるスキル
「相手のために一生懸命になる」ということは、上記のようなスキルではないでしょうか。
臨床を通じて様々な経験をしつつ、高めていけると良いと思います。
自分の強みを活かして働こう
というわけで、今回はここまで。
『相手のことを想って、一生懸命になること』これができれば、自然と専門職として成長していけると思います。
この土台の上に、自分の強みをオプションとしてのせていけると良いのでは?
- 真面目さ
- 臨機応変さ
- 忍耐力
- コツコツとした努力
- 発想力
など。この中の1つに「雑談力」も入りますし、どれも臨床を行う上でプラスになると思います。
でも、土台となるとは『信頼』。土台がグラついている上に、何のオプションをのせても安定して実力を発揮できません。
まずは、土台をしっかりと固めましょう。
オプションとなる力をつけていくのは、その後で十分です。
コツコツと頑張っていくことが、長期的にみたら確かな力になると信じています。
最後に、僕が影響を受けた書籍を紹介しておきますね。
ちなみに、Amazonのkindle unlimitedに登録すれば初月無料で上記の本を含めて読み放題なのでオススメです。