
「小児分野で言語聴覚士として働きたい。まずは、小児STの仕事内容や魅力について聞いてみたいな。小児分野で働く上での将来性ってどうなんだろう?あとは、勉強の仕方や転職活動の進め方とか、全部まとめて教えてほしい!」
こんな疑問にまとめておこたえします!
小児分野の言語聴覚士のアレコレをまとめて解説!



この記事を書いている僕は、小児分野の言語聴覚士として15年以上働いています。その経験から、『小児分野で働きたい!』というあなたを応援します。
子どもの発達を支援する言語聴覚士は需要に対して人数が全然足りていません。
SNSでは「ST難民です」なんて言葉が飛び交うほど、保護者が子どものことばの発達に不安を感じていてもなかなか会えない状況が続いています。
『そんなに需要があるなら、言語聴覚士を増やして市場に投入すればいいじゃないか?』といわれそうですが、そんな簡単ではないですよね。
就職を考える言語聴覚士に『小児分野の仕事内容・状況が分からない』といった漠然とした不安があるのではないかと思います。
なぜなら、言語聴覚士として就職する前に、小児の臨床を体験できる人が限られてしまっている現状があるからです。
これは、小児分野で働く現役のSTの多くが非常勤であることから、学生の臨床実習を引き受けられていないということが理由の一つです。
どんな働きをするのか良くわからない分野に就職しようってツワモノは少なくて当然ですよね。
これは、半分本当で半分ウソです。
ここ数年で小児の求人はかなり増えてきています。ただ、新卒ではなく「言語聴覚士の有資格者」を求めている事業所が多いです。
求人を見ていると、必ずしも『小児の経験者』でなくても良いところも目立つため、以下のような転職組にはかなり就職しやすい状況です。
- 成人分野で働いていたけど小児に転職したい
- 子育てもひと段落したから再度STとして働きたい
この記事では、このような人に小児分野の魅力や現状をお伝えします。
目次を参考に、気になるところから読んでいただき、ぜひ、小児分野に就職してください!一緒にお子さんたちの発達を支えていきましょう!
目次
小児分野の言語聴覚士の仕事



「小児分野で働く言語聴覚士は、どんなところで働いているのかな?一日の勤務の流れとかも知りたいな」
小児分野の言語聴覚士は、以下のような場所で働いていることが多いです。
- 総合病院などの小児科
- 訪問看護ステーション
- 療育センター
- 学校(ことばの教室)
- 児童発達支援 などなど
小児分野の言語聴覚士は、医療の分野だけではなく、福祉や教育、行政など様々な分野で働いていることが特徴です。
ほとんどの職場で、日勤帯で働いており、医療だと1回2~3単位の個別指導を5~6名分(約18単位分)実施していることが多いですね。
詳しくは、以下の【小児分野の言語聴覚士の仕事を知ろう】をお読みください。


小児分野の言語聴覚士のやりがい



「小児分野で働く『やりがい』ってなんだろう?実際に働いている人から話を聞いてみたいな」
小児分野の言語聴覚士として働く『やりがい』には、「伝える喜び」「食べる楽しさ」を子どもたちに経験してもらえることに加えて、「子どもたちの未来を支え、成長を保護者と一緒に喜ぶことができるところ」にあると思います。
しかし、どんな仕事にも「つらいこと」「大変なこと」はあります。
そんな時に上司や同僚に相談できると良いのですが、小児分野の言語聴覚士はひとり職場であることも少なくありません。
ひとり職場であっても、【子どもの発達支援を考えるSTの会】のようなオンラインで小児分野とつながれるサイトなども上手く活用できると良いと思います。
互いに助け合おうとする言語聴覚士たちが多いのも、小児分野の魅力のひとつです!
詳しくは、以下の【小児分野の言語聴覚士のやりがい・魅力】の記事をお読みください。


言語聴覚士はやめたほうがいいって本当?



「ネットで検索したら『言語聴覚士 やめたほうがいい』って出てきたど・・・。あんまり将来性のない仕事なのかな?」
結論からいうと、言語聴覚士は将来性のある仕事です。まだまだ成し遂げないといけない社会的なミッションも多いと思っています。
小児分野でいうと、子どもの「ことばの遅れ」などを心配した保護者からの需要が高いにも関わらず、言語聴覚士の数が足りていません。
詳しくは【需要に対して供給が追い付いていない】の記事で解説していますのでご覧ください。
では、「やめたほうがいい」といわれる理由はなんでしょうか?
- 給与があまり高くない
- 領域によって求人に差がある
- 認知度が低い
このあたりが理由になっているのかもしれません。
とはいえ、言語聴覚士の給与は安定していて、幅広い職域で活躍できるという魅力もあります。
詳しくは、以下の【言語聴覚士はやめたほうがいい?】の記事で解説していますのでご覧ください。


言語聴覚士の給与は?



「言語聴覚士の給与って実際のところどうなの?言語聴覚士として給与を上げる方法ってあるのかな?収入をUPさせるための具体的な方法を知りたいな」
言語聴覚士の給与は日本人の平均くらいな場合が多いといわれています。
医療・保育・介護の分野の他職種に比べると、医師や薬剤師に比べると低いものの、介護士や保育士より恵まれている水準のようです。
【言語聴覚士が収入をあげるための方法】の記事では、以下の3つの方法を解説しています。
- セミナー講師・書籍印税で副収入
- 高待遇の職場へ転職
- 副業に取り組む
この中でも、副業についてはすぐに取り組めるのでオススメです。
働き方改革を政府が推奨するようになり、今後は療法士界隈でも副業が当たり前になってくると思います。
副業といっても、あなたの時間を切り売りするような副業ではなく、長期的にみてあなたの資産になるような副業を選んで取り組みましょう。
副業の選び方については、【年収50万円UP!おすすめの副業】の記事で詳しく解説しています。


言語聴覚士として開業するなら小児分野がおすすめ
現在、フリーランスで働いている言語聴覚士が最も多いのは小児分野です。
「言語指導」と「構音指導」に関しては、フリーランスとしてサービス提供が法律で許されています。
小児分野は、需要に対して供給が追い付いていない状況なので、利用したいという保護者はたくさんいると思います。
要するに、小児分野の言語聴覚士は「引く手あまた」という状態です。
詳しくは、【フリーランスで働く言語聴覚士になりたい!】の記事もお読みください。


言語聴覚士のキャリアアップの仕方は?



「キャリアアップをしていきたいけど、何から始めればいいんだろう?」
キャリアアップのためにすべき具体的な行動は以下の3つです。
- 臨床のスキルアップ
- 学術的な業績を積み上げる
- 自分の市場価値を知る
特に、自分の市場価値については、今すぐにでも確認しておくことをオススメします。
なぜなら、市場価値を知ることで、あなたが取り組むべき課題が明確になるからです。
詳しくは、【何をすればいい?言語聴覚士のキャリアアップ】の記事で解説していますので、お読みください。
時々、『キャリアアップ=資格取得』と勘違いしている人がいますが、これは違います。
キャリアアップとは、専門知識・スキルを向上させて経歴を高めることをいいます。
正直なところ、リハビリ業界のキャリアアップで有利になる資格なんてないと思っています。
言語聴覚士なら、まずは臨床スキルの向上が大切です。そのための自己研磨として症例報告をコツコツとまとめることをオススメします。
【症例報告の作成こそ最強の勉強方法:独学のススメ】では、症例報告をまとめるメリットを紹介しています。
以下の記事と併せてお読みください。


論文を読んで勉強しよう!



「勉強のためにも論文を読んでみたいな。でも、英語が苦手なんだよなぁ。そんな私でも読めるかな?」
論文を読んで勉強しようと思っても、英語が読めなくて断念してしまうことってありますよね。
でも、最近では無料の翻訳ツールがかなり高性能になってきています。
そのため、翻訳ツールをうまくつかえば、英語が苦手な人でも世界中の研究知見から学ぶことができます。
こういうことを言うと、「翻訳ツールを使うなんて邪道だ」って怒られそうですけど、英語が苦手だからと読まないより、ツールを使って読んだ方が明らかに良いですよね?
以下の記事では、【おすすめの無料翻訳ツールの紹介・論文の入手方法・読み方のコツ】を紹介しています。


論文を読むことに慣れてきたら、自分で研究計画を立てて取り組んでみるのも良いと思います。
初めての論文作成となると、先の見通しがもてずに不安だと思うので、【英語論文を投稿して掲載されるまでの僕の経験】を記事にしてみました。お役に立てたら嬉しいです。
小児分野の求人が増えてきた!?



「小児分野の求人が増えてきたって本当!?実は、小児分野は学生の頃に求人が少ないって聞いていたから諦めていたんだ。求人が増えてきているならチャレンジしてみようかな?」
冒頭でもお伝えしたように、ここ数年で小児分野の求人はかなり増えてきています。
特に、児童発達支援・放課後デイサービスで求人が増えているようです。
求人の増加については、【小児分野の言語聴覚士になりにくい時代は終わった】の記事で詳しく解説していますのでお読みください。
そして、小児分野に就職・転職するためには、希望の地域での求人を集めなくてはいけません。
求人情報をあつめるには、以下の2つの方法がおすすめです。
- 子どもの発達支援を考えるSTの会に入会
- 転職サイトへの登録・利用
【小児分野の言語聴覚士になりたい人がすべき2つのこと】の記事で、それぞれについて紹介していますのでご覧ください。


未経験だけど小児分野に転職しても大丈夫?



「今、成人分野で働いていて小児は未経験なんだけど転職できるかな?」
経験がない状態で小児に転職ができるかどうか不安な気持ちは分かります。
でも、大丈夫!経験がなくても小児分野で働けます。誰でも最初は初心者です。1年もすれば慣れてくると思います。
小児分野はそもそも人材が足りていないので、一生懸命に働こうとしている人はそれだけで重宝されると思いますよ。
【経験なしで小児分野に転職することを迷っている人】はこちらの記事もお読みください。
小児分野への適性が自分にあるのか不安な人は、言語発達に関する書籍とあなたが最も興味のある領域の書籍を1冊ずつ読んでみましょう。
【小児分野で働く言語聴覚士にオススメの書籍】についても紹介していますので参考にしてみてください。
独学してみて少しでも楽しいと感じられるなら、その領域に適性があるという証拠だと思います。
その後の転職活動の手順や就職先の選び方については、以下の記事で解説しています。


今の職場を1~3年で辞めるのはアリ?



「小児分野にチャレンジしてみたいけど、まだ今の職場で働いて1年目。さすがに辞めるのが早すぎるかな?」
一般的には、同じ職場で3年は働くことが推奨されますよね。これは、3年間あれば一定のスキルが身につくからです。
しかし、職場の人間関係に悩んだり、仕事内容に不満を感じていたりといった理由で、3年未満で転職を決意する人もある程度います。
詳しくは、【1~3年目で辞めるのはアリ?】の記事で解説していますのでご覧ください。
また、転職を考える場合には、あなたが将来なりたい言語聴覚士のイメージに近づける職場を選びましょう。
そのために、分野、職員教育の体制、働きやすさの3つのポイントを最低限おさえておけると良いと思います。
詳しくは、以下の記事で解説していますのでご覧ください。


30代で小児分野に転職するのは遅い?



「じゃあ、30代で転職を考える場合はどうだろう?小児分野を目指し始めるには遅すぎたかな?」
言語聴覚士は30代でも転職はしやすい職業です。特に、小児分野となれば人材が不足しているわけですから、転職も成功しやすい領域です。
30代での転職では、『実績づくり』と『効率的な求人情報の収集』が大切です。
20代での転職と異なる点は、『意気込み』だけでは受け入れてもらえず、今の職場での実績が求められるところでしょうか。
これらの詳細については、【30代での転職を成功させる2つのコツ】の記事で解説していますので、ごらんください。


まとめ:小児分野に転職したい人がやるべきこと
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ここまでを10項目にまとめます。
- 小児STは魅力にあふれる仕事
- やめたほうがいいといわれる理由は給与?
- 収入を上げる方法は3つある
- 開業するなら小児分野がおすすめ!
- キャリアアップは自分の市場価値を知るところから
- 症例報告をまとめて実績をつくろう
- 小児分野の求人が増えてきている
- 小児分野は未経験でも転職しやすい!
- 30代での転職を考えることもできる!
- 求人集めは転職サイトを利用しよう!
盛りだくさんの内容でしたね。
小児分野の言語聴覚士として働くために、最初にすべきことは『求人情報の収集』です。
『求人情報の収集』は手当たり次第にホームページを探すのでは非効率ですよね。
特に、働きながら転職活動を並行して進める場合には、求人集めは転職サイトにお願いしましょう。
無料で登録・利用ができるので、損することがありません。あなたの現在の市場価値も確認できるので、ライフプランも立てやすくなりますよ。
まず、転職するかしないかはひとまず置いておいて、あなたが希望するような求人が実際にあるのかどうかを確認してみることをおすすめします。
転職サイトは、たくさんあり、それぞれ強み・弱みがあります。
以下の記事では、小児分野の言語聴覚士になりたい人に向けて、【おすすめの転職サイト:ベスト3】をまとめました。
ぜひ、ご活用ください。


とはいえ、「転職サイトって実際どうなのよ?」と口コミや評判が気になる人もいるかと思いますので、『転職サイト:リハのお仕事』を例に【転職サイトの登録後の流れ:口コミ・評判】の記事にまとめました。
はぐくみブログ(当サイト)を読んで頂き、「小児STになってみたい」「小児STになれた!」と思ってくれる人が一人でも増えてくれたら嬉しいです。
それでは。終わりッ!