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【英語が苦手な療法士】論文の読み方のコツ:ツールを活用セヨ【リハビリ業界】

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勉強方法を模索する言語聴覚士「英論文を読んでみたいけど、なんだかハードルが高くて、、、。そもそも、どうやって論文を手に入れたらいいのかな?どういう読み方をすると勉強になるのかな。」

こういった疑問にこたえます。

この記事の内容

  • 英語が苦手な人でも読めるツールを紹介
  • 初心者におすすめの英語論文との向き合い方
  • 論文の入手方法と読み方のコツ

この記事を書いた人

Twitter(@hagukumichild

この記事を書いている僕は、小児分野の言語聴覚士として働いています。臨床の疑問や研究論文をまとめるために英語論文を読むことも多いです。ただ、正直なところ英語はとても苦手です・・・。

「英語論文を読んでみたいけど、ハードルが高くて手が出せない」と感じていませんか?

実際に僕も読み始める前は、上記のように感じていました。

最初のころは、英語論文を仕入れたら冒頭から1つずつ単語の意味を辞書で調べて読み進めていたので、ひとつの論文を読むのに2週間以上はかるくかかっていましたね。

でも、英語論文は、もっと簡単に読むことができます。

実際に、僕はこの記事で紹介するようなツールを使用することで情報収集の速度が上がり、効率的に知りたい情報にアクセスできるようになりました。

その結果、英語論文の執筆にもついに成功しました。

この記事では、英語嫌いな療法士の方が、英語論文を読むきっかけをつかんでもらうことを目的としています。

読み終わると、論文の入手~内容の大枠の理解ができるようになります。

内容の精読、深い読み込みについて知りたい人は、他のページを参考にしてくださいね。

それでは、さっそくお読みください。

英語が苦手な療法士でも読める論文読解の方法

AIはどんどん進化しており、言語の壁はだいぶなくなってきました。

「英語は根性で辞書をひいて読むべきだろ!」と思う人は、そっとページを閉じてください。

この記事では、英語論文への“とっかかり”をつかんでほしいので、できるだけハードルの低い読み方を紹介していきますね。

翻訳ツールを活用セヨ

今、翻訳ツールは数年前とは比べものにならないくらい高性能です。無料ツールもあなどれません。

『翻訳ツールを使うなんて邪道な読み方だ』って思います?

そりゃー、英語読んで理解できるならそうした方が良いに決まっています。でも、英語が読めないならツールを使えばいいじゃないですか。

もう時代はビデオ会議でもリアルタイムで字幕翻訳が可能になってきている時代ですよ。
>>ニュース記事:【オルツ、Web会議に翻訳字幕をリアルタイムで表示する「AI翻訳」を販売】

今後は国際学会だって、言語の壁を感じることなく参加できる時代になっていくんでしょうね。

無料の翻訳ツールの紹介

以下の2つがオススメです。僕は『DeepL』を多用しています。

使い方はいたってシンプルなので、説明の必要はないと思います。みなさん簡単に使えます。

PDFのファイルからコピペする場合のコツ

論文PDFからコピペしようとすると、変なところで改行されて上手く翻訳されないよ・・・

分かります。まぁ、1つずつ改行を消していけば良いのですが、少し面倒ですよね。

そんな時には、『Shaper』という無料ツールを試してみてください。

PDFからコピペするだけで改行を消してDeepLで翻訳までしてくれます。

Shaper+DeepL

最強のタッグですね。

英語の独学も並行セヨ

とはいえ、ですね。英語も少しずつ読めるように並行して勉強していくべきとは思います。

英語論文ってすごく難しいようなイメージがあるかもですが、実際の文法はかなりシンプルです。
というか、トップジャーナルの論文ほどシンプルで分かりやすく書かれているように思います。

難しく感じさせるのは専門用語の英語ですかね。ただ、ここは興味のある分野の論文を読んでいるうちに、自然と理解できるようになってきます。

ある程度、量をこなすことは大切ですね。

オススメの独学方法

勉強方法には向き・不向きがあると思います。
参考までに僕がやってきた方法をお伝えしますね。

僕の場合は、まず、アブストラクトや本文を上記の翻訳ツールを使いながら読み、おおよその意味を理解しました。
その後に、再度アブストラクトを翻訳ツールなしで読むようにしていました。

ここでは、分からない単語があったら辞書で調べる感じですね。アブストだけだったら、長くても数時間で読み終えることができます。慣れてくれば30分もかからずに読めますよ。

論文を読む目的は、あくまで書かれている内容を理解すること。
なので、英語の勉強は極力負荷が少なく、継続しやすい範囲で続けました。

イメージとしては、速読英単語を英語論文のアブストでやる感じですかね。受験生の頃がなつかしい。

英語を学ぶのもアリ

今回は『論文から情報を得ること』を目的とした解説なので、英語スキルどうこうという話はしないつもりではあるのですが・・・。

体系的に英語も学んでおきたいな、という人は、以下のような学習を試してみるのも良いと思います。

そういう僕も『スタディサプリ』を利用して毎日の通勤で利用しています。スクールに通う余裕がないのと、7日間の無料体験で試せたのが決めてでしたね。

  • スタディサプリENGLISH:スキマ時間で気軽に学べる。忙しい療法士にはピッタリ!
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英語論文を療法士が活用する方法【初心者向け】

英語論文を読む前に、おさえておきたい前提があります。

特に、これから英語論文を読んでいきたいという人は、アレコレと手当たり次第に新しい論文を読むよりも、まずは以下のような手順で論文を探してみることをオススメします。

まずは日本語で書かれた教科書・ガイドライン

「なんだよ。それじゃー今までと変わらないよ」といわれそうですが、教科書やガイドラインを読み込むことは大切です。

だって、教科書やガイドラインはたくさんの各分野の専門家が集結して、多量の論文から信頼性の高い情報を切り取って作ってくれた情報ですよ。臨床で困った時に、まず確認すべきはココです!

ただ読むのではなく、教科書やガイドラインに記載されている『引用文献』のところはチェックしながら読みましょう。

気になる情報の引用文献については、別にエクセルシートなどを使って抜き出しておくと、後で検索しやすくなります。

エビデンス=論文ではない

「それ、エビデンスあんの?」

療法士界隈でも、このようなことを言う人、、、増えましたよね。

Evidence-Based Practice(EBP)という考え方はとても重要だと思っています。

時々、「論文に書いてあるから、この方法はすばらしい介入だ」みたいな変な解釈している人もみかけますが、、、

EBPとは「利用可能な最良のエビデンス・医療者の経験・患者の価値観を統合し,最善の医療を行う」という考え方といわれています。

もちろん、臨床研究の知見は実践のよりどころになると思います。ただ、論文に書いてあるからOKという単純なものではないのです。

教科書の根拠となった論文を確認セヨ

残念ながら、論文の内容はピンキリです。そのため、論文の内容を精査しながら、内容を批判的に吟味して解釈していく必要があります。

そのような吟味に耐えうる論文が多く引用されているのが、教科書やガイドラインだと思っています。

なので、まずは教科書などで引用された良質な論文を読み、内容を理解することからはじめるべきだと思うのです。

だって、初心者だと論文の質まで判断できないじゃないですか。最初は良質な論文をたくさん読んだ方が勉強にもなるし、なにより読みやすいです。

以下の本は、論文を読むにあたって重要なことが解説されています。一度読んでおくことをおすすめします。

療法士は英語論文をどうやって手に入れるの?

「よし!じゃあ、さっそく読んでみよう」

そのように思っていただけたのであれば、この記事を書いて良かったです。

英語の論文の入手方法

まずは、目的の論文を探しましょう。

論文検索に関しては、まずはPubmedの一択で良いと思います。

Pubmedで検索して、無料で手に入る論文であれば良いですが、そうでない場合には論文を購入しなくてはいけません。これが意外と高額なんですよね。

なので、論文の購入前に試して頂きたいのが、以下の2つのサイトです。

ResearchGateは研究者用のSNSみたいな感じで、研究者が自分の論文を公開している場合があります。

Academia.eduは、登録するとオススメの論文をメールで紹介してくれたりするので便利です。

いずれも無料で利用できるので、登録しておいて損はないと思いますよ。

これらで手に入らず、どうしても無料で手に入れたい!っていう人は、著者にメールしてみると案外もらえたりしますよ。

僕は著者にお願いしてみることも多いです。

英語論文の読み方のコツ【初心者:療法士】

さて、論文を手に入れたら、さっそく翻訳ツールも使いながら、読み進めていきましょう。

論文の検索~入手~内容の大枠の把握、ここまでに慣れてきたら、次のステップとして以下を意識していきましょう。

PICOを意識セヨ

以下の4つの要素に定式化して、論文から情報を受け取っていきましょう。

  • P:患者(Patient)
  • I:治療・条件(Intervention)
  • C:比較対照(Comparison)
  • O:アウトカム(Outcome)

要するに、「どんな人に、何をして、どんな人と比べて、何をアウトカムとした研究なのか」、これを意識する必要があるということですね。

論文を読みながら、PICOを抜き出して整理しておきましょう。

PICOを把握できれば、少なくとも1/3くらいは論文を理解したようなものです(言い過ぎかな?)

読み込むべきは『結果』の部分

なんとなく、考察の部分を読んで理解したくなってしまいますが、考察はあくまで著者が考えたことです。

もちろん、考察も勉強にはなりますが、客観的に論文の内容を理解するためには、『結果』のパートをしっかりと読み込んでほしいと思います。

結果の部分って、統計の知識が必要だったり、図や表からの情報抽出だったり、とっても大変ではありますが、ここは根性で学んでください。その分、英語は翻訳ツールで楽しましょ。

まとめ:療法士は英語論文を恐れる必要はない!

この記事では、『言語の壁(英語の苦手さ)』をすっ飛ばして、論文の内容から学ぶことを目的に書きました。

ここまでをまとめます。

  • 英語読解は「ShaperDeepL」が強い味方になる
  • 論文検索はPubmed一択でOK
  • まずは教科書の引用文献から読んでみよう
  • 論文の入手には、ResearchGateなんかも活用しよう
  • PICOを意識した読み方をしよう

と、こんな感じですかね。

繰り返しになりますが、僕ら療法士が英語論文を読む目的は、英語スキルの上達ではなく、書かれている内容を理解して対象者の役に立てることのはず。

そうであれば、まずは翻訳ツールを使ってでも、英語論文の情報にアクセスすることが大切だと思います。

やっているうちに、自然と英語力もついてくるものです。もちろん、いずれは英語で読みたいというモチベーションがあれば、ですが。

「英語だからムリ・・・」といわず、まずは試してみてください。

「あ、意外といけるな」という感覚をつかんでくれたのであれば、そこからあなたの情報収集力は爆上がりするはずです。

とはいえ、英語スキルはあるに越したことないので、慣れてきたら英語の勉強もしてきましょうね。

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「ちなみに、僕は スタディサプリ でサクッと勉強してます」

論文を読むことに慣れてきたら、自分で書いてみることにも挑戦してみると良いと思います。

キャリア・人脈・スキルなど、論文執筆を通して得られるメリットはたくさんありますよ。

》【挑戦】論文を書いて広がる世界:言語聴覚士のキャリア・人脈・スキル