小児の言語聴覚士は需要に対して供給が追い付いていない!

言語聴覚士の需要が特に高い分野はあるのかな?需要の高さは今後も続くのかな?小児分野は需要に対して供給が追い付いていないと聞くけど、言語聴覚士がニーズに応えるためにすべきことはなんだろう?

そういった疑問にこたえます。

この記事の内容

  • 小児分野の言語聴覚士の需要はこの先も続く
  • 小児分野の言語聴覚士を増やすために必要なこと
  • 医療ばかりじゃない!福祉や教育からも求められている!

この記事を書いた人

ツイッター(@hagukumichild

ご存知のとおり、小児分野の言語聴覚士の需要はめちゃめちゃ高いです。

でも、小児を担当できる言語聴覚士は全然たりていません。

「ST難民です」

子どものことばの発達を心配した保護者が、言語聴覚士に相談したくても、出会うことすらできない。

そのような状況をSNSを中心に「ST難民」と表現されることもあるほどです。

今後、このような親子に言語聴覚療法を提供していくために、早急に取り組むことが必要なのは以下の3点だと思います。

  1. 言語聴覚士の認知度を上げる(高校生でも知っている職業へ)
  2. 小児分野の言語聴覚士が後輩を育てる
  3. 小児分野で働きたい言語聴覚士に正しい情報を伝える

それでは、さっそくいってみましょう。

小児分野の言語聴覚士の需要

言語聴覚士は、1997年に国家資格となった職業です。

2020年3月時点で言語聴覚士は34,489名の有資格者となっています。

しかし、同じリハビリテーションの専門職である理学療法士(182,893名)と作業療法士(89,717名)に比べるとまだまだ全国的に不足しています。

言語聴覚士の働く場所は、成人分野と小児分野に大きく分かれます。

しかし、これらが半々で分かれているわけではなく、小児分野で働く言語聴覚士は全体の1~2割程度と言われています。

小児専門の言語聴覚士がいかに少ないかお分かりかと思います。

言語・コミュニケーション面で
支援を必要としている子は多い!

近年では発達障害をもつ子どもへの支援の重要性が多方面で認められ、子どもの言語・コミュニケーション支援についての必要性が高まってきています。

診断の有無に関わらず、支援を検討すべき子どもは全体の6%程度(小学校の1クラスに1~2名程度)とも言われていますよね。

すなわち、小児分野の言語聴覚士への需要は年々高まりをみせているにも関わらず、それを担う人材が圧倒的に足りていないのが現状といえます。

この問題をどうにかしないといけないですよね。

小児分野の言語聴覚士への需要の高さは今後も続くのか?

小児分野の言語聴覚士への需要の高さは今後も続くと思います。

ただし、このまま何もしなければ、次第に社会は言語聴覚士を求めなくなってしまうでしょう。

だって、「出会えない専門家」よりも「出会える他の関連職種」に需要が流れるのは当たり前だと思いませんか?

まずは人数、でも質も大事

まず、僕たちがやらねばならないのは「小児分野の言語聴覚士を増やすこと」。これに尽きると思います。

しかし、ただ増やせばいいってもんでもないですよね。人数が増えれば質の担保が難しくなる。これはどの業界でも同じかと思います。

人数が増えたからOK!ではなく、しっかりと人材を育てなくてはいけません。これをするためには数年のスパンが必要。

今、現役世代がすべきこと:将来へのバトン

人数を増やし、育てている間に、僕ら現役で小児分野で働いている人たちがすべきこともあるはずです。

まず、「僕ら言語聴覚士は子どもの言語・コミュニケーションの支援にお役に立ちますよ」といったことを啓蒙していく必要があるでしょう。

そのためには、医療から飛び出して、福祉や教育などの様々なところに言語聴覚士が顔を出していくことを大切にしていかなくてはいけないと感じています。

将来的に、気軽に相談でき、子育ての不安の芽を摘めるような言語聴覚士が、住んでいるところの近くで、すぐに会えるような社会を目指していきたくありませんか?

小児分野の言語聴覚士の人数を増やすために必要なこと

小児分野の言語聴覚士を増やすためには、社会の中での認知度を上げる必要があると考えています。

最近では、児童発達支援や放課後デイサービスなどでの働き口が増えたにも関わらず、求人を出しても言語聴覚士の応募がないといった声も聞きます。

すなわち、小児分野で働きたいといった意思をもって就職活動をしている言語聴覚士が少ないといったことが第一の問題点だと思うのです。

小児分野で働きたいと思ってもらうために、僕らが今すぐ取り組めることは何か、考えてみました。

小児分野の言語聴覚士の認知度を上げる

高校生でも知っている職業へ

理想的には、高校生でも知っている職業を目指して、認知度を上げられると良いと思います。

言語聴覚士は高校卒業後に養成校に入学し、単位を取得することで国家試験の受験資格を得られます。

高校生で「言語聴覚士になりたい」と思ってくれる人が増えれば、言語聴覚士数は大幅に増加するはずです。

しかし、現状では知る人ぞ知る職業なため、高校生の間では「言語聴覚士?は?なにそれ?」といった認識の人も多いと想像できます。

だって、人生の中で言語聴覚士に合ったことのある高校生なんて、ごくわずかですよね。

まずは、関連職種に知ってもらうところから

小児分野の言語聴覚士は、関連職種の中でも認知度は高いとは言えないのが現状です。

例えば、小学校の先生で言語聴覚士を知っている人はどのくらいいるでしょうか?
幼稚園・保育園の先生で言語聴覚士が何をするか知っている人はどのくらいいるでしょうか?

いずれも限られた人数だと思われます。

まずは、関連職種に言語聴覚士を知ってもらい、どんな風に役立ててもらうことができるのかを伝え続ける必要があると感じています。

そして、将来的には、保育園や学校の先生のように、子どもたちが成長の過程で自然と知るような職種に、言語聴覚士が入れるといいなぁと感じます。

小児分野の言語聴覚士が実習指導を積極的に引き受ける

言語聴覚士になるためには、臨床実習をうける必要があります。

学生たちは、臨床実習で実際に働く言語聴覚士の姿をみて、自分の将来のイメージをつくる場合も多いと思います。

それくらい、臨床実習でどのような体験をしたかは、将来につながる貴重な時間となります。

なぜ、小児の実習先も少ないのか?

全国的に、言語聴覚士の実習先は小児分野よりも成人分野が圧倒的に多いです。

これは、小児分野で働く言語聴覚士は非常勤で働いている人も多く、臨床実習を引き受けられない職場が多いということもひとつの理由です。

しかも、療育センターなど常勤の小児専門の言語聴覚士がいるところでも、年間に実習生を1名しか引き受けないといった施設も多いです。(ちなみに、成人分野の大きな病院では年間に10名を超える学生の実習を引き受けているところもあるようです)

そういった現状もあり、言語聴覚療法を学ぶ学生たちが、成人分野で働くイメージしか持たずに就職していってしまいます。

理想をいえば、全学生が小児分野の臨床実習を1回は受けられるようになることが必要かと思います。

とはいえ、今すぐに小児分野の実習先を大幅に増やすことは難しいでしょう。

せめて小児分野での実習を希望する学生には、その希望がかなえられるようなシステムなり、実習の受け皿の確保なりができるようになるといいなと願っています。

小児分野で働きたい言語聴覚士に正しい情報を伝える

既卒者に現状を伝えよう!

ひと昔前まで、言語聴覚士の中では「小児分野は就職が難しい」といったことが定説になっていました。

そのため、新卒で就職する時に「できれば小児分野で」と思っていた人も、夢をあきらめて成人分野に就職した人も少なくありませんでした。

養成校を卒業してしまうと、求人情報を見る機会がほとんどなくなるため、最近の小児分野の求人の状況を知らない人も多いと思います。

きっと、昔と同じように「小児分野は就職は難しい」と感じている人がたくさんいるのでは。

でも、これは間違い。今、小児分野の求人はかなり増えてきています。

例えば、児童発達支援や放課後デイサービスなどでは毎年のように求人が出ています。

詳しくは、【求人増加中!転職するなら今!小児分野の言語聴覚士になろう】の記事もお読みください。

求人増加中!小児分野の言語聴覚士になりたい人がすべき2つの行動

小児の求人の確認の仕方

手当たり次第に、病院や療育センター、事業所のホームページを確認して求人の有無を確認しても良いですが、かなり効率が悪いですよね。

働きながら求人を集めるなら、転職サイトを上手く使いましょう。

最近では、リハビリ業界に特化した転職サイトも増えてきています。

あなたに合ったサイトを探すために、【言語聴覚士におすすめの転職サイト:ベスト3】の記事も参考にしてみてください。

まとめ:小児分野の言語聴覚士になろう!

ここまでをまとめます。

  • 言語聴覚士の需要の高さはこの先も続く
  • まずは人数を増やす必要があるが、質の担保も課題
  • 人数を増やすためには認知度の向上がマスト!
  • 言語聴覚士に小児の求人が増えていることを伝える必要もアリ!

小児分野の言語聴覚士への需要は高いにも関わらず、供給されているサービスは足りていない現状があります。

しかも、発達障害をもつ子どもたちの支援の輪は広がってきており、今後さらに言語聴覚士への期待は広がると思います。

このような需要に応えるために、まずは小児分野の言語聴覚士の人数が増えることが必要だと思います。その上で、人材の質を担保するため、丁寧に育てていく努力をしていかなくてはいけません。

そのために、言語聴覚士に関する認知度を上げ、小児分野で働きたいと思う学生、有資格者を増やす必要があるのではないでしょうか。

現場の言語聴覚士のひとりとして、私も臨床実習を積極的に引き受けることと、ツイッター(@hagukumichild)を通した仕事の魅力・情報の発信をしていきたいと思います。

実は、小児分野で働いてみたかったんだ。という人は、ぜひ!

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