
来年度に働く場所を探しているの言語聴覚士「来年度の就職先を考えているんだけど、就職先はどうやって選んだら失敗しないのかな?選び方のポイントを教えてほしいな。あと、実際にみんなはどうやって希望の就職先に行きつくことができたのかも知りたい。」
こういった疑問におこたえします。
就職先の選択は、誰もが悩むところかと思います。
本記事では、以下の点を解説することで、あなたの就職先の選択をサポートします。
- 就職先の選び方:3つのポイント
- 将来の自分のイメージの仕方
- 夢をつかんだ先輩の就職体験談
この記事を読もうと思っているあなたは、「一生を左右する就職活動!」と意気込んでるかもしれませんが、就職は運とタイミングも必要になります。
そして、今就職先を検討しているあなたの言語聴覚士としての人生はまだまだ長く続くのではないでしょうか。
最初から、100%希望する職場でないとしても、働きながらチャンスをつかむことだって十分にできるはずです。
とはいえ、なんとなく就職してしまうと理想の自分は遠ざかってしまいます。
就職先は、①分野(成人or小児)、②職員教育の体制、③働きやすさの3つのポイントは最低限おさえましょう。
その上で、「小児を極めたい」「教員になりたい」「独立してフリーランス」など、
将来なりたい言語聴覚士の
イメージに近づける職場
を選べるとベストです。
それでは、さっそくお読みください。



目次
言語聴覚士の就職先の選び方:3つのポイント



新卒のあなたが就職先を選ぶにあたって、最低限以下の3つのポイントはよく考えておきましょう。将来のあなたをイメージしながら、なりたい自分に近づけそうな職場を選べるとベストです。
- 就職したい分野
- 教育体制
- 働きやすさ
就職したい分野を選択しよう
言語聴覚士の就職先は、大きく分けると「成人分野」と「小児分野」に分かれます。
就職先によっては、成人も小児も対象としている総合病院などもありますが、あなたがメインに就職したい分野を決めておくことは大切です。
そして、成人分野では「病院などの医療機関」「介護福祉施設」「訪問リハビリテーション」など
小児分野では「病院などの医療機関」「療育センター」「児童発達支援事業(放課後デイサービス)」など
さらに細かく分かれます。
しかし、あまり最初から細かく分野を絞ってしまうと求人情報を探すのに苦労しますので、
「成人分野で摂食嚥下の分野をバリバリやりたいな」
「小児分野で幅広いケースを担当する経験を持ちたいな」
くらいのイメージ良いと思います。



やりたい分野と対象はハッキリ決めておいた方が良いということですね!
職員の教育体制をチェックしよう
誰もが最初から完璧に業務をこなすことはできません。
言語聴覚士のような専門職・対人援助職は何年経験を積んだとしても日々勉強が必要であり、対応に迷うケースは出てきます。
新たな職場であなたが最初から上手くできないことは当たり前ですので、職員教育が充実しているところを選べると安心です。
しかし、いざ求人情報を調べてみると「教育が充実!」「教育体制完備!」など書いてあるものの、その実態は見えてこないことも多いです。
このあたりは、実際に働いている人に聞いてみるのが一番です。
新卒の人なら養成校に集まる「先輩OB/OGの声」を参考にしたり、職場見学に行ったときに質問してみると良いと思います。
転職を考えている人なら、転職エージェントから情報を得るというのも有益です。
数年ごとに新人を採用しているような職場だと新人教育に慣れている場合が多いかと思います。
(逆に、めったに職員を採用していない場所や、ひとり職場となる場合には教育体制はよく確認しておいた方が良いと思います)



新人教育の有無だけではなくて、どのような教育体制なのかを知っておけると安心ですね!
働きやすさを確認しよう
人間関係を中心とした職番の雰囲気は、あなたが就職した後の働きやすさに大きく影響します。
こればかりは、病院のホームページを見たり、求人情報を読んだりしても分かりません。
気になる就職先をいくつかピックアップできたら、職場見学に行くようにしましょう。
職員同士の会話や他職種との連携、職員や患者さんの表情など、あなたがそこで働いていることをイメージしながら見てみましょう。
転職を考えている人なら、転職エージェントを利用して聞いてみるのも有益です。
職場の人間関係などの内部情報に詳しいサイトもあるので利用しないのは損です。



気になる就職先が決まったら、職場見学に行くことが大切なんですね!
言語聴覚士として働く将来のあなたをイメージしてみよう



「小児・発達障害を専門分野として極めたい」
「独立してフリーランスになって働きたい」
「いずれは教育に関わって言語聴覚士を育てる立場になりたい」
「待遇がしっかりした場所で結婚・出産したとしても長く勤めたい」
など、なりたい自分によって就職先に求めることも変わってくると思います。
以下に、いくつかの例を紹介します。
小児・発達障害を専門分野として極めたい
正直、小児分野で常勤の言語聴覚士を募集している施設は少ないです。しかし、毎年、求人情報は少ないもののある程度の件数は募集があがってきています。
できれば、療育センターなどの小児を専門とする施設で働けると、教育体制も充実しているでしょうし、幅広いケースを経験でき、あなたの知識やスキルが向上すると思います。
しかし、あなたが卒業する年に、運よく療育センターの求人が出るとも限りません。
もし、あなたが卒業する年に希望する求人情報が得られなかったとしても、あなたの言語聴覚士としての人生はその先まだまだ長いです。
すぐに諦めてしまうのではなく、「いずれ、小児を専門とした職場に行くぞ!」くらいの気持ちでいても良いと思います。
その場合には、働きながらもあなたのところに求人情報が入ってくるような体制・状況を作っておくことをおすすめします。
>>あなたのところに求人情報が入ってくるよう体制づくりをしよう!


独立してフリーランスとして働きたい
言語聴覚士は、「言語指導」や「構音指導」に関しては医師の指示が不要なため、独立してフリーランスとして働くことができます。
特に、小児分野では、言語聴覚士の需要が高いにも関わらず、供給されるサービスが圧倒的に不足している現状もあり、フリーランスとして参入する言語聴覚士も増えています。
しかし、小児分野で働いた経験がない人が、いきなり独立というわけにもいきません。
一度はどこかに所属して、実際の臨床を学べると良いと思います。


将来は言語聴覚士を育てる立場になりたい
養成校の教員として言語聴覚士を育てる立場になりたい場合、研究実績が求められることが多いです。
大学院に通うことで学位をとることも大切ですが、臨床の疑問を解決するような研究はとても貴重な情報となり、評価される場合も少なくありません。
働きながら研究発表をしている先輩がいる職場を選ぶと良いと思います。
なぜなら、研究発表をするためには時間もお金もかかります。それらをサポートしてくれる職場なのか、自分の力だけで取り組まないといけないのかによって、研究のはかどり方は変わってきます。
働きながら研究に関する実績を積み上げることができる職場を選択されることをおすすめします。
結婚・出産したとしても長く勤めたい
言語聴覚士は女性が多い職業でもあり、子育てしながら働きやすい職場も多いです。
しかし、職場によっては「長く勤める」ことよりも、「バリバリとスキルと高める」ということがしやすい職場もあります。
長く勤めるためには、子育てのしやすさを確認しておくことが必要です。
具体的には、休みのとりやすさ、子育てへの理解などを確認しましょう。
ライフステージによって、「独身の頃は急性期の病院でバリバリ働いて、子育てが始まったら回復期にうつろうかな」「子育て中は日勤帯の療育センターで働いて、子育てがひと段落したら放課後デイサービスなどの夕方の仕事にシフトしようかな」などと考える人もいるようです。


給料は大事だが新卒言語聴覚士ではあまりこだわりすぎない方がいい



給料は就職先を選択する時に大切な要素のひとつではありますが、あまり給料にこだわりすぎるよりも、
将来のあなたがどのような言語聴覚士になりたいのかを優先して決めた方が良いと思います。
言語聴覚士の新卒の給料平均は月21万円程度と言われています。このラインを大きく下回らないようであれば、あなたのやりたいことを優先して決めましょう。
最初は「給料が少ないな…」とがっかりすることもあるかもしれませんが、しっかりと経験をつんで、知識・スキル・業績が積みあがることで、より給料が高いところに転職しやすくなったり、セミナー講師や教科書の執筆などの副収入を得られるようにもなってきます。
>>言語聴覚士の収入についてはこちらの記事もおよみください。


先輩の言語聴覚士が新卒時の就職先えらびの体験談
ぜったいに小児分野に就職したいと学生の頃から思っていました。
しかし、卒業の年に出た小児分野の求人は少なく、残念ながら夢はかなわず。
しかたがなく、総合病院で小児も少し対象としているところに就職しました。
しかし、やはり小児をメインに働きたいといった夢を捨てきれなかったため、働きながらも転職サイトに登録して求人情報をチェックしていました。
就職して3年がたったところで、みごと採用をいただくことができました。
小児の経験があったこと、働きながらも「小児をやりたい」といったモチベーションが下がらなかったことを面接では評価していただけたようです。
【療法士におすすめの転職エージェント:ベスト3】の記事もお読みください。
将来は大学の教員になって、言語聴覚士を育てる立場になりたいと思っています。
将来は失語症に関する講義を担当したいと思っていましたので、急性期から回復期、維持期までトータルでみることのでる法人に就職しました。
運よく、職場に働きながら大学院に通われている先輩もいたため、相談にのってもらいながら、私も働き始めて2年がたったところで大学院に通い始めました。
現在も同じ法人で勤務形態を非常勤に変更して働きながら、大学院の博士課程で博士論文に取り組んでいます。
まとめ:将来なりたい言語聴覚士像に近づける就職先を選ぼう



新卒の段階で、将来のビジョンを明確に持てている人は少ないかもしれません。
これまでに出会った言語聴覚士の先輩の中で、「こんな人になりたい」と思える人がいたら、まずは目標にしてみるのも良いと思います。
就職に関しては、運とめぐり合わせといった面も大きいように思いますが、あなたの人生の中の大きなウェイトを占めることになることは間違いありません。
卒業する年に、希望の就職先がなくても、あなたの言語聴覚士としての人生はまだまだ長く続きます。
今はひとつの職場で定年まで勤めあげる人も多くはなくなってきています。
働きながら、希望の職場への転職であったり、あなたのライフステージによって働きやすい職場への転職などを考えても良いと思います。
なりたい自分に近づけるような就職先を選んでほしいと思いますし、チャンスは卒業する年だけではないということも頭の片隅に入れておいてほしいと思います。
最近では無料で登録・利用でき、リハビリ業界に特化した転職サイトも出てきています。
あなたの夢を応援してくれるパートナーとなってくれること間違いなしです。
あなたが将来なりたい!
と思える言語聴覚士に
近づける職場を選びましょう!

