
保育士「クラスに集団行動が苦手な子がいる。なんで、みんなと一緒に動けないんだろう?どうやって関わってあげたら良いのかな?」
こういったテーマで記事を書いてみようと思います。
- 集団行動ができない子の気持ちを考える
- 子どもの興味に合わせて集団行動を経験させる
- 必要最低限の集団行動という考え方
集団行動が苦手な子。クラスに何人かはいると思います。
このような子たちが、少しでも友達と一緒に楽しい経験ができたら…って思いますよね。
そう。「楽しい経験」の中で集団行動を経験する。
これが大切だと思います。
今回は、集団行動ができない子には、どういう支援が必要なのか?という話題で解説する記事です。
なんで、この子は集団行動ができないの?



結局のところ、集団行動ができない理由は様々。子どもによっても違うし、状況によっても違う。
大切なのは、子どもの気持ちをくみとった支援を検討すること。
「この子はわがままだから」「家で甘やかしすぎているから」なんて理由にしてしまうのは論外です。
集団行動ができていないとき、子どもはどう思っているのか、どんな気持ちなのかを想像してみましょう。
集団行動ができない子どもの気持ちを考えよう



集団行動ができていない時、子どもはどんな気持ちなのでしょうか?
- 「ルールが難しくて分かんないよ」
- 「うるさすぎて居れないよ」
- 「今は他にやりたいことがあるんだよ」
など。生活の中で子どもを丁寧に観察する中で、子どもの気持ちを想像してみましょう。
原因に対して支援をしてみよう
子どもの気持ちを推測したら、それに対して支援をしてみましょう。
たとえば、こんな感じ。
- ルールが難しい→簡単なものにする
- うるさすぎる→静かな活動にする
- 他にやりたいことがある→みんなでそれをやる
推測した子どもの気持ちが合っているなら、うまくいくかもしれません。
遊びの発達段階という視点
子どもたちは、いきなり集団活動ができるわけではありません。
最初は単独行動(ひとり遊び)から始まって、少しずつ友達と協調して遊ぶことを学んでいきます。詳しくは以下の記事をどうぞ。
》ひとり遊びから仲間と遊べるようになるまでに大切な関わり【発達には順番がある】
もしかしたら、この遊びの発達が未熟であるがゆえに、集団行動がうまくいっていないのかもしれないという視点も持っておけるとよいと思います。
集団行動にこだわらなくても良いのでは?



これには反論があるかもしれませんが、「そもそも、集団行動にこだわっているのは大人の方では?」なんて思ったりもします。
大人になったあなたは、集団行動を毎日、いつだって求められているでしょうか?
もちろん、仕事で集団行動が必要な部分はありますが、単独行動が主の仕事も世の中にはたくさんあります。
要するに、大人になれば自分の特性に合わせて集団行動の必要性・頻度を選択できるということです。
大切なのは、必要最低限の集団行動ができること
目指すべきは、「いつだってみんなに合わせ、集団を乱さずに行動すること」ではないですよね。
必要最低限、周囲に迷惑をかけない程度の集団行動ができることが目標でも良いのでは?と思います。
大人だって難しい集団行動です。子どもの頃に完璧を求めすぎないことも大切なはず。
集団の中で心地よく過ごせたという経験が必要
幼児期には特に『集団の中で心地よく過ごせたという経験』を積み重ねることが大切だと思います。
そのためには、押し付けのない、さりげないサポートが重要。
子どもの発達のペースに合わせた、子どもの気持ちを大切にした支援の中で、ゆっくりと育んでいけば良いではないでしょうか。
子どもの発達と興味に合わせて集団行動を経験させる



子どもに集団行動を経験させる時には、「発達」と「興味」を合わせて経験させるのが大切です。
発達に合わせて経験させる
自分の発達の状態よりも極端に高いレベルのことを求められるのは、子どもにとってシンドイです。
例えば、まだルール理解が難しい段階の子に「鬼ごっこ」に取り組ませようと思っても難しいですよね。
まずは、集団活動の内容が、子どもの発達段階に合っているか?という視点で検討してみるのが大切だと思います。
興味に合わせて経験させる
発達段階に合わせることに加えて、子どもが興味をもてる内容か?という視点も重要。
子どもが好きなことなら、友達と一緒に取り組むモチベーションにもなるかもしれません。
例えば、電車が好きな子なら電車ごっこをしたり、好きなキャラクターのお面をかぶせて活動に参加させたり。
集団行動が苦手なロボット好きの小学生が、プログラミング教室では友達と楽しく過ごせているといったケースも時々経験します。
》小学生からプログラミングを学ぶなら何から始めるべき?3つのステップでスタート
まず、その子が好きなこと・興味の高いことは何か?ということを把握して、それを大切にした活動を考えてみましょう。
まとめ:必要最低限の集団行動という考え方



この記事では、「集団行動ができない・苦手な子ども」をテーマに解説しました。
ここまでをまとめます。
- 集団行動ができない理由を探索しよう
- 必要最低限の集団行動でも良いのでは?
- 発達と興味に合わせた活動の中で心地よく過ごす経験が大切
こんな感じ。
繰り返しになりますが、大人だって難しい集団行動です。
子どもに完璧を求めるのはシンドイと思います。
子どもの発達・興味に合わせて、集団の中で心地よく過ごす経験こそが幼児期には大切なのではないでしょうか?
少なくとも、「無理して集団行動に参加する」「怒られながら集団で行動する」ことが子どもたちに必要だとは考えにくいですよね。
大人になるまでに、最低限の集団行動が身につくように、長い目ではぐくみ、支援していけたらなぁと思っています。
それでは、今回はここまで。
大人になるまで、まだまだ時間のある子どもたち。無駄に自信を損なうことなく、のびのびと育って欲しいなと。