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数概念の発達に大切なこと:かぞえられるだけで大丈夫?【幼児期の言葉の発達】

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「うちの子、なかなか数がかぞえられるようにならなくて心配。どうやって数って教えてあげたらいいの?具体的な方法も教えてほしい」

こういったお悩みにこたえます。

この記事の内容

  • 数概念の育ちに大切な4つのポイントを解説
  • かぞえられるだけが数概念ではない!

この記事を書いた人

Twitter(@hagukumichild

この記事を書いている僕は、発達がゆっくりなお子さんたちへの「ことばの指導」を言語聴覚士として担当しています。その経験・知識から、今回は『数概念の育ち』について分かりやすく解説します!

生活の中で当たり前のように使っている「数概念」。
あなた自身がどのように理解できるようになったのか……覚えていないですよね。

そのため、子どもに数概念を教えようと思っても、何から始めればいいのかお悩みの方も多いのでは?

数概念については、以下の4つのポイントを丁寧に発達させることが大切です。

数概念のポイント

① 抽象的な思考の始まり

② 1対1の対応

③ 順序数

④ 集合数

この記事では「幼児期に発達する数概念」について、順番に解説していきます。

幼児期の数概念の発達に大切な4つのポイント

幼児期の数概念の発達には、以下の4つのポイントが大切です。

数概念のポイント

① 抽象的な思考の始まり

② 1対1の対応

③ 順序数

④ 集合数

子どもたちが数概念をちゃんと理解するためには、数に限らず「抽象的な思考」ができるようなり、物と物を「1対1で対応させる力」が土台になります。

そのうえで、数には順番がある(例:1から順番に10までかぞえる)といった「順序数」、全部まとめて〇個だったと概括する「集合数」の知識がついて、やっと数概念としてあつかえるようになるわけです。

順番に解説していきます。

ポイント①:「抽象的な思考の始まり」が数概念に大切

抽象的な思考とは、以下のようなことをいいます。

「事物の共通点に着目し、一般的な概念でとらえ、考えること」

…もう少し分かりやすく解説しますね。

ことばで考えると以下のように分類できます。

  • 具体的=名詞
  • 抽象的=形容詞、数概念、カテゴリー

名詞は指し示す「物」がありますが、数概念やカテゴリー名称は指し示す「物」がありません。

例えば、「3」といっても「サン」という物はなく、「物が3つある」とう状態を示しています。

同様に、「動物」というカテゴリー名称は「ドウブツ」という物を示すのではなく、「ぞう」「さる」「きりん」などを包括する単語です。

そのため、数概念を理解するためには、大小・長短・簡単な形容詞などの抽象概念が分かってくることが必要。

通常だと、このような抽象概念の理解は2歳後半~3歳くらいにできるようになってきます。

抽象概念のはぐくみ方

カテゴリーに応じて、物を分けるような活動をしてみましょう。

例えば、お片付けの時に、おままごとの食べ物はこっちの箱、ミニカーなどの乗り物はこっちの箱、といったようにカテゴリー別の仕分け作業はおすすめです。

また、大小や長短といった比較概念については、実際に対比しながら物に触れる経験も大切。

お父さんのお洋服をかぶって「大きいね!」、大なわとびの端と端をもって「ながいねー!」など、色々な物や体験を通しながら概念にふれさせてあげると良いでしょう。

ポイント②:「1対1対応の理解」が数概念に大切

数をかぞえるときには、形や大きさが異なっても、それぞれを1個として数えていく必要があります。

身の回りにも1対1対応はたくさんあります。

例えば、冷蔵庫の卵入れに1つずつ卵を入れる、ハンガーに洋服をひとつずつかける・・・。

このような対応関係を遊びの中で実際に操作しながら学んでいきます。

お人形にひとつずつ食べ物をくばる、駐車場の絵の上にひとつずつミニカーを置く、などお子さんが好きなものを使ってやってみてください。

ポイント③:「順序数の理解」は数概念の大切な基礎

順序数とは、『数の1から順番にかぞえられる性質』のことをいいます。

まだ順序数が分からない子だと、「1、5、8、7・・・」といった感じでバラバラの順番で数をとなえる場合があります。

まずは「3」くらいまで、色々な場面で聞かせたり、一緒に言ったりしながら定着をうながしましょう。

小さい数から順に積み上げていくのがコツです。

例えば、抱っこする前に、「1、2の、3」で抱き上げる、「1、2の、3」でボールを転がすなど、色々な場面で繰り返し聞かせてあげるのがポイントです。

慣れてきたら「1、2の・・・・?」など、途中からお子さんに言ってもらうのも良いですね。

「3」までができるようになったら「5」まで。「5」までできるようになったら「7」まで。

と、少しずつ数を増やしてみると良いと思います。

「4」と「7」の数え方

「4」は「よん」「し」、「7」は「なな」「しち」と2通りの数え方があります。次の集合数の話にもなりますが、かぞえた後に「〇個」と表現することを考えると、最初は「よん」「なな」と数えるように統一した方が子どもには分かりやすいかもしれません。

4個→「しこ」とは言わないためです。

また、「し(4)」と「しち(7)」は音が似ているので、「なな」の方が区別がつきやすいと思います。

ポイント④:「集合数の理解」は数概念の大切な基礎

集合数とは、『かぞえた後に何個あったかといった量を示す性質』です。

順序数が分かるようになってから、集合数が分かるようになる子が多い印象ではありますが、中には小さい数であれば集合数が先に分かってくる子もいます。

しかし、数が大きくなると、1から順番にかぞえていかないと全体の数(量)は把握できなので、やはり順序数がしっかり理解できてから、集合数に進めてあげたほうが良さそうです。

まだ、集合数が分からない子だと、「1、2、3」と数えたあとに、「何個?」に対して、「1、2、3」と再度かぞえ始めたりします。

かぞえた後に、指を立てて数を示してあげたり、同じ数のものを探す課題を行ったりと、かぞえるだけではなくて量に注目を与えることがポイントです。

まとめ:幼児期の言葉の発達に大切な数概念の育ち方

以上、数概念について解説しました。ここまでをまとめます。

数概念のポイント

① 抽象的な思考の始まり:数はいろいろな物の状態を示すことば

② 1対1の対応:物や形・色などが違ってもかぞえられる

③ 順序数:数は1から順番がある

④ 集合数:数は何個あったか(量の概念)を示すことができる

こんな感じでしょうか。

お子さんがどこにつまづいているのか?何が分からなくて困っているのか?

まずはお子さんの発達の状態を確認してみましょう。お子さんのつまづきポイントが分かったら、まずは現在できているレベルの遊びを繰り返すことが大切です。

例えば、1対1対応が5までできるお子さんであれば、ミニカーだけでなく、おはじきやお菓子など色々なもので数えてみる。こういったバリエーションを増やすことも大切です。

それぞれの段階でバリエーションが増えることで、次のステップにも進みやすくなります。

【子どもの発達に合わせたおもちゃの選び方のコツ】の記事では、お子さんに合ったおもちゃ選びをサポートする視点を解説していますので、併せてお読みください。

今回の記事が、お子さんの数概念の理解を確認するためのヒントになれたのであれば幸いです。【語いを育てるおすすめのおもちゃ】の記事でも、実際の療育で使用している遊びやすい玩具を紹介していますので、ご覧ください。

3ステップで語いを広げる!言葉の発達に大切なおもちゃ選び

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ことばの発達の順番に記事を並べていますので、お子さんの発達の状態に合わせてお読みいただけます。

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