
子どものことばの発達で悩む人「ことばが出始めてホッとしたけど、今度はなかなか2語文が出てこない。子どもに2語文が出てくるためにはどうしたらいいんだろう?親がどのように関わったら良いかも知りたい。」
このようなお悩みにこたえます。
- 2語文が育つために大切な2つのポイント
- 2つのことばを覚える記憶力を育てよう
- 動詞や形容詞の語彙を育てよう



この記事を書いている僕は、発達がゆっくりな子どもたちの言葉の発達を支援しています。その経験と知識から、今回は『2語文の発達』について分かりやすく解説します!
単語が出始めても、なかなか2語文につながらないと心配になりますよね。
子どもが単語で話し始めると次は2語文と考えがちですが、すぐには2語文に移行できません。
実は、この記事で解説する2つのポイントの成長が2語文の土台になります。
この記事を読むことで『2語文を育てるためにはどういう関わりが必要なのか』が分かります。
ぜひ、最後までお読みください!
目次
2語文の発達に大切な2つのポイント
2語文を育てるためには、以下の2つのポイントで発達を促す必要があります。
①:2つのことばを覚える記憶力
②:動詞や形容詞などの語彙の拡大
単語で話し始めると「次は2語文だ!」と考えがちですが、これら2つの成長が土台となり、結果的に2語文で話せるようになるのです。
それでは、それぞれについて詳しく説明していきます。
ポイント①:2つの言葉を覚える力が2語文に大切
2語文は以下のような3ステップで育ちます。
- ステップ①:2つの単語が覚えられる
- ステップ②:2語文が理解できる
- ステップ③:2語文が話せる
2語文を話せるようになるためには、2語文を理解できるようになることが必要です。
そして、2語文を理解できるためには、2つのことばを覚えておけるようにならなければなりません。
例えば、「大きい くるま」といった2語文を理解するためには、「大きい」と「くるま」の2つの単語を覚える必要があります。
記憶力がまだ未熟な状態だと、「おおきい、ま」と覚えてしまうかもしれません。
それでは「大きいくるま」なのか、「大きいクマ」なのか、「大きいマンマ」なのか・・・?
よく分からなくなってしまいますね。
2語文を育てる関わり:ゆっくり・はっきり言ってあげる
2つのことばを覚えられるようになるために、生活の中では大人が『ゆっくり・はっきり』と言って聞かせてあげてください。
また、常にテレビがついているなど、子どもにとって雑音が多い環境では、子どもは言われたことばを正確に聞き取ることが難しくなってしまいます。
小さな子どもにとって、テレビから出ていることばを無視して、ママのことばだけをしっかり聞き取ることは大変です。
ぜひ、お子さんとおもちゃで遊ぶ時間にはテレビなどは消して、しっかりと親の声が届くような環境で遊んであげてください。
2語文を育てる関わり:ジェスチャーを交えながら伝えてあげる
単語で話している子が2語文を話せるようになるには以下のようなステップがあります。
- ステップ①:「単語」(1語文)
- ステップ②:「単語」+ジェスチャー(不完全な2語文)
- ステップ③:「単語+単語」(2語文)
1語文から2語文に移行する間に『単語+ジェスチャー』といった不完全な2語文の時期があります。
まだ2語文の理解があいまいな時期には、身振り・ジェスチャーを使いながら話しかけてあげると、2語文が覚えやすくなります。
なぜなら、『ことば(音声)=聴覚情報』、『ジェスチャー=視覚情報』といった特徴があり、聴覚情報と視覚情報を組み合わせて伝えた方が理解しやすくなる場合が多いからです。
さらに、大人が「単語+ジェスチャー」で表現することで、子どもに表現のモデルを示すことができます。
子どもが真似して表現しやすいといった点でも、大人がジェスチャーをやりとりの中で使用すべきです!
ポイント②:動詞や形容詞などの語彙の増加が2語文に大切
2語文が育つためには、動詞・形容詞などの語彙が増える必要があります。
なぜなら、2語文は「名詞+動詞」や「形容詞+名詞」であることが多いからです。
例えば、「ジュース、飲む」「ごはん、食べる」などは『名詞+動詞』ですね。「大きい、ブーブ」「ふわふわ、わんわん」などは『形容詞+名詞』になります。
そのため、動詞や形容詞などの語彙が増えないと2語文は育たないわけですね。
しかし、動詞・形容詞は名詞に比べると獲得が難しいといわれています。動詞や形容詞は抽象的な語彙であることがその理由です。
例えば、名詞の場合には、「車」と言えば、そこに車があります。
しかし、動詞や形容詞の場合、「投げる」と言っても、そこに投げるというものは存在しません。
しかも、人がやっている動きのことを言っているので、「投げる」行為は一瞬で終わってしまいます。
さらに、「投げる」という行為が、人の表情をあらわしているのか、踏ん張っている足のことをいっているのか、降り下ろしている腕のことを言っているのか明確ではありません。



動詞や形容詞などの抽象的な語彙を覚えるためには、以下の2つのポイントが役に立つかもしれません。
①:擬音語・擬態語が役に立つ
②:子どもの動作・気持ちの言語化
擬音語・擬態語で表現されたことばは、直感的に意味が推測しやすいという特徴があります。さらに、子どもでも言いやすい。
大人が積極的に擬音語・擬態語を言いながら関わってあげましょう。
加えて、子どもの動作や感じていそうな気持ちを、その場その場でことばにして聞かせてあげるように関わってあげましょう。
自分が動作している・感じていることが、その場で言葉になって聞こえてくることで「ことばー内容」を結び付けやすくなります。
まとめ:記憶力と語彙を育てることが2語文の発達に大切



この記事では『2語文を育てる2つのポイント』というテーマで解説してきました。
ここまでをまとめます。
- ゆっくり、はっきり、身振りを交えて伝える:記憶力を育てる
- 擬音語、擬態語、動作や気持ちの言語化:語彙を広げる
- 2語文の発達には「記憶力」「語彙力」の2つがポイント
こんな感じです。
お子さんのお話が、なかなか2語文につながらず不安に感じるかもしれません。
でも、この記事で伝えたような「記憶力」「語彙」が育っている最中なのかもしれません。
2語文を育てるためには、これらの土台をしっかりと固めることが大切です。
焦らず、着実に、子どものペースで育んでいきましょう!
当サイトでは【言葉の発達に大切なこと | ゆっくり?遅れてる?言語聴覚士が完全解説!】の記事に、ことばの発達に関する記事をまとめて紹介しています。
ことばの発達の順番に記事を並べていますので、お子さんの発達の状態に合わせてお読みいただけます。
\クリックして記事へ移動!/