【完全解説】離乳食の進め方 | 発達の状態に合わせた機能の育み方

「離乳食を始めたいけど、どうやって進めたら良いのか分からない。個人差も大きいって聞くけど、何を目安にしたらいいのかな?食べる機能の発達を分かりやすく解説してほしい」

こういった疑問にこたえます。

この記事の内容

  • 離乳期を通じて育つ食べる機能を徹底解説
  • 食べる機能がどのように発達するのか?
  • 食べさせ方のコツや離乳食の固さの目安を紹介

この記事を書いた人

この記事を書いた人
Twitter(@hagukumichild

この記事を書いている僕は、言語聴覚士という資格で発達がゆっくりな子の食べる機能を育てる支援をしています。その経験と知識から離乳期に育つ食べる機能の発達を分かりやすく解説します。

離乳食の進め方って難しいですよね。たいていの育児書には月齢を目安に離乳食の進め方が解説されていますが、育児書どおりに進まないことも多いのでは?

実は、離乳期の子どもの発達はとても個人差が大きいため、月齢のみを指標とすると上手くいかない場合があります。

この記事は『離乳期に食べる機能がどのように育つのか?』ということを知っていただきたくて書きました。

発達の仕方を知ることで、現在はどこに取り組んでいて、次にどういった力が育つのかが分かります。

さらに、発達の見通しが得られることで「7ヶ月だから離乳中期に進めなきゃ!」と無駄に焦る必要がないことも分かって頂けるのでは?と願いを込めて書いています。

少し長めの記事ですが、ぜひ、最後までお読みください!

離乳食の進め方の概要

離乳食の進め方の概要

離乳期の区分

離乳期は大きく以下の4期に分かれます。

離乳期の区分

・離乳初期:生後5~6ヶ月

・離乳中期:生後7~8ヶ月

・離乳後期:生後9~11ヶ月

・離乳完了期:生後12~18ヶ月

離乳初期

離乳初期は『口を閉じて飲み込む(嚥下)機能』を発達させるため「ごっくん期」とも呼ばれます。

ミルク以外のものを口から食べ始める時期で、滑らかにすりつぶした食べ物を与えます。

生後5~6ヶ月では1日1回、スプーンで数杯でOKです。

ミルクは1回200~220mlで、1日5回程度です。栄養のほとんどはミルクでとります。

離乳中期

離乳中期は『舌と上あごで食べ物を押しつぶす機能』を発達させるので「もぐもぐ期」とも呼ばれます。

口を閉じてモグモグと食事らしく食べるようになってくる時期であり、豆腐くらいの固さの食べ物を与えます。

生後7~8ヶ月では1日2回の食事回数を増やし、おかゆ50~80g+おかず30~50gくらいを目安に食事を用意しましょう。

ミルクは1回200~220ml程度で、1日5回程度です。この時期も栄養はミルクで大部分を補っています。

離乳後期

離乳後期は『咀嚼の機能』を発達させるので「かみかみ期」とも呼ばれます。

バナナくらいのやわらかい食べ物なら歯茎で噛んでつぶせるようになります。

生後9~11ヶ月では1日3回に食事回数を増やし、おかゆ90g~+おかず50~60gくらいを目安に食事を用意しましょう。

食べる量が増えた分、ミルクを飲む量が減ってくる時期です。とはいえ、まだミルクからの栄養も必要な時期なので食後のミルクは用意してあげましょう。

離乳完了期

離乳完了期は『咀嚼をより成熟したものへと発達』させる時期であり「ぱくぱく期」とも呼ばれます。

歯が生えてくる子も多いので、ハンバーグくらいの固さを噛んで食べられるようになってきます。

生後12~18ヶ月では1日3回食で、軟飯80g~+おかず60~70gくらいを目安に食事を用意しましょう。

通常のごはんで栄養がとれるようになってくるので、様子を見ながら徐々にミルクを卒業しても大丈夫です。

離乳期に育つ口腔機能

離乳期に育つ口腔機能は、『舌運動』に注目すると分かりやすいです。

離乳期に育つ舌の動き

・離乳初期:前後の運動

・離乳中期:上下の運動

・離乳後期:左右の運動

口腔機能(離乳初期):舌の前後運動

離乳期のスプーンの使い方

離乳食を始めたばかりの頃は、食べさせようと思っても『舌が前後に運動』して食べ物を押し出してしまうことも多いです。

これは、哺乳の時と同じような口の動かし方をしているため、しょうがないこと。

離乳初期にはスプーン上の食べ物をくちびるを閉じて取り込めるようになることが大切です。

くちびるを閉じてスプーンから食べ物を受け取る経験を積み重ねるために、介助する時には『スプーンを口の中に入れたら上くちびるが降りてくるのを待ってから水平に引き抜く』ようにしましょう。

口腔機能(離乳中期):舌の上下運動

離乳中期の押しつぶし

離乳中期になるとスプーンから食べ物を取り込むことが上手になり、「舌が上下に動ける」ようになり口の中に入れた食べ物を『舌と上あごで押しつぶす』ことができるようになります。

「押しつぶし」は口の中で行われるため、実際に観察することは難しいですが、下の図のように「口角が左右対称に引かれる」ことで確認できます。

離乳中期では豆腐やマッシュポテトのような「指でそっと持たないと崩れてしまうような固さ」の食べ物を与えることが大切です。

やわらかい食べ物を舌を上下に動かしてつぶす経験を繰り返す中で、舌の運動のバリエーションを増やしていきましょう。

口腔機能(離乳後期):舌の左右運動

離乳後期の咀嚼

離乳後期では「舌が左右にも動く」ようになって『咀嚼』の獲得が始まります。

「咀嚼」は下の図のように「口角が左右非対照に引かれる」ことで確認でき、スナックなどを食べさせれば「サクサク」といった音が鳴ることでも確認できます。

離乳後期では咀嚼の獲得が開始するとはいえ、まだ大人と同じような咀嚼ではありません。

未熟な咀嚼でも十分に処理できるように、「やわらかめの固形食」を中心に食べさせましょう。

焦って固いものを噛ませるよりも、本人の機能に合った固さの食べ物を与えて適切な咀嚼を繰り返すことで、噛む力がついてきます。

食材別の離乳食の調理方法

離乳期では上記のような口腔機能の状態に合わせた形状・固さの離乳食を用意しましょう。

食べ物の形状・固さ

・離乳初期:滑らかなすりつぶし

・離乳中期:舌でつぶせる

・離乳後期:歯茎でつぶせる

以下に食材別の離乳食の調理(例)を紹介していきますね。

炭水化物

炭水化物の離乳食の調理方法

米や食パンは離乳初期から使用することができます。上記の図の中で「米」と例に解説しますね。

離乳初期には10倍粥をすりつぶしてなめらかにしましょう。離乳中期になれば7倍粥で米粒をつぶす必要はありません。離乳後期では5倍粥くらいから始めて徐々に軟飯に近づけていきます。完了期になれば、家族と同じようなご飯を食べ始める子もいます。

タンパク質(魚)

魚の離乳食の調理方法

魚は白身魚から始めます。離乳後期には赤身魚、完了期には青魚も食べられるようになります。

白身魚の場合、離乳初期にはよく茹でて加熱してからすりつぶしてトロミをつけます。離乳中期では細かくほぐした状態でも食べられるようになり、離乳後期では5~8cmくらい、離乳完了期では1cmくらいにほぐせば食べられる子が増えます。

タンパク質(肉)

肉の離乳食の調理方法

肉は白身魚に慣れてから開始します。早くても鶏ササミを離乳中期から始めるようにしましょう。

鶏ササミの場合、離乳中期から開始します。最初はなめらかに調理するために、凍らせたササミをすりおろして煮るとうまくいきます。離乳後期では加熱後たたいて細かく刻み。離乳完了期では加熱後に5mm位に刻めば食べられる子が増えます。

野菜

野菜の離乳食の調理方法

野菜は種類によって開始時期が異なります。長ネギやキノコのような食物繊維が多く消化しにくいものは離乳初期では食べられません。

上記のいずれもアレルギーの有無を確認するため、始めて食べるときにはスプーン1杯でやめて食後の体調を丁寧に観察しましょう。大丈夫そうであれば徐々に1食に食べる量を増やしていきます。

離乳期におすすめのベビーフード

ベビーフードは離乳食として調理しにくい食材も企業が工夫して調理してくれているため、必要に応じてうまく使っていけると良いと思います。

ベビーフード

・離乳初期:舌の前後動の時期

・離乳中期:押しつぶし機能獲得の時期

・離乳後期:咀嚼が可能となる時期

それぞれの段階別に、大手のキューピー和光堂の商品、無添加・有機米・無農薬野菜のベビーフード【manma】を紹介しますね。

ベビーフード①:離乳初期

離乳初期に相当する口腔機能の発達の状態である時期には、「5ヶ月頃~」のベビーフードを選ぶとなめらかで食べやすい形状になっています。

ベビーフード②:離乳中期

離乳中期に相当する「舌と上あごでの押しつぶし」を獲得する時期では、「7ヶ月頃~」のベビーフードを選ぶと食べやすいです。

ベビーフード③:離乳後期

離乳後期に相当する「咀嚼」を獲得する時期では、「9ヶ月頃~」のベビーフードを選ぶと良いです。

離乳期の運動発達

離乳期には運動発達の状態に合わせて、椅子を工夫することで姿勢を安定させてあげましょう。

姿勢が安定は、口元を上手に動かすためにも重要です。

運動発達

・離乳初期:ひとりでおすわり

・離乳中期:安定したおすわり~四つ這いの構え

・離乳後期:四つ這い移動~伝い歩き

運動(離乳初期):ひとりでおすわり

離乳初期に相当する生後5~6か月は、うつ伏せの状態で肘をついて体重を支えたり、手を離した状態で座れるようになる時期です。

首のすわりは安定してきているものの、おすわりに関してはまだ倒れてしまうこともあります。

離乳食を食べるときには、腰回りのサポートがある椅子を選ぶと姿勢が安定して食べやすくなります。

運動(離乳中期):安定したおすわり~四つ這いの構え

離乳中期に相当する生後7~8ヶ月は、すわった状態で左右に体をひねったり、四つ這いの姿勢がとれるようになる時期です。

おすわりも安定してきているので、座面が平らな椅子でも座れるようになり、テーブル付きの椅子だと腕をのせられるのでより姿勢が安定します。

今後、手づかみ食べにもつながるので、離乳食で使う椅子はテーブル付きの椅子が便利です。

運動(離乳後期):四つ這い移動~伝い歩き

離乳後期に相当する生後9~11ヶ月は、四つ這い移動がスムーズになったり、つたい歩きを始めたりする時期です。

動くことが楽しくなってくる時期で、落ち着いて食卓に座っていられない場合もあるかもしれませんが、成長を見守りましょう。

この時期は手をつかうことも上手になり、手づかみ食べが盛んになります。詳しくは【手づかみ食べの3つのメリット】で解説していますので、併せてお読みください。

【重要】手づかみ食べの3つのメリット:手づかみ食べをしない子への対応は?

離乳期のコミュニケーション発達

離乳食の時間は、忙しい育児の中でもゆっくりと関われる時間です。

発達の状態に合わせた関わりのコツを紹介します。

コミュニケーション発達

・離乳初期:二項関係~模倣の始まり

・離乳中期:模倣~三項関係の始まり

・離乳後期:三項関係~指差し

離乳初期:二項関係~模倣の始まり

離乳初期に相当する5~6ヶ月は、「自分―他者」「自分―物」といった二項関係が成立するようになります。

たとえば、親と向かい合って微笑んだり、交互に声を出して楽しんだりする姿がみられます。

ぜひ、離乳食の時間には向かい合って、おおげさにリアクションをとりながら「おいしいね」などと声かけをしてあげましょう。

少しずつ、相手の動きを真似するようなしぐさ(模倣)も増えてくると思います。

離乳中期:模倣~三項関係の始まり

離乳中期に相当する7~8ヶ月は、相手の動きを真似したり(模倣)、相手と同じものを見ているといった認識(三項関係)が出てきたりします。

食事の時間には、離乳食を子どもに見せながら「〇〇だね」と物の名前も聞かせてあげましょう。

物と相手を交互に見比べたりしながら食事を楽しむ姿が見られるようになる時期です。

離乳後期:三項関係~指差し

離乳後期に相当する9~11ヶ月は、三項関係が充実して指さしが盛んになってきます。

食事の時間には、2つのメニューの中から食べたい方を選んでもらうなど、指さしを使用したやりとりを楽しんでみましょう。

指さしのような身振り・ジェスチャーで相手に意思を伝える喜びが育まれる時期です。

離乳食を進める時のポイント

離乳食を進めるにあたって、各時期のポイントを紹介します。

ポイント

・離乳初期:くちびるを閉じるための介助

・離乳中期:水分の練習も並行して始めよう

・離乳後期:固すぎる食べ物は焦らずに

ポイント(離乳初期):くちびるを閉じるための介助

離乳初期では『くちびるを閉じる機能』を獲得することが目標になります。

そのため、以下のようなポイントに気を付けて介助しましょう。

離乳期のスプーンの使い方
  1. スプーンを口に入れたら上くちびるが降りるまで待つ
  2. 上くちびるが降りたらスプーンを水平に引き抜く

ポイント(離乳中期):水分の練習も並行して始めよう

離乳中期からは水分を飲む練習も始めていきましょう。

水分に関しては以下のステップで進めていきます。

  • ステップ①:スプーンから一口ずつ
  • ステップ②:レンゲやおちょこで練習
  • ステップ③:小さめのコップで練習

ステップ②~③は離乳後期で上手になる機能です。

離乳中期では飲み物や汁物をスプーンで1杯ずつ飲み込む練習を始めましょう。

詳しくは【どうやるの?コップ飲みの練習:離乳食の段階別に解説】の記事をお読みください。

どうやるの?コップ飲みの練習:離乳食の段階別に解説

ポイント(離乳後期):固すぎる食べ物は焦らずに

口腔機能を効率よく育てるためには、子どもの発達の状態に合わせた固さの食べ物を与えることが大切です。

なぜなら、現在の発達の状態では処理しきれない固さの食べ物では、咀嚼せずに出してしまうか丸飲みしてしまうため、咀嚼の経験につながりにくいからです。

子どもの食べ方をよく観察して、固すぎる食べ物は焦らずに成長を待ってから与えるようにしましょう。

離乳食に関するよくある質問

離乳食に関するよくある質問にお答えしていきます!

質問

①:はじめる前に揃えるべきグッツ

②:発達がゆっくりな子の進め方は?

③:初めて食べる食品の注意点は?

質問①:はじめる前に揃えるべきグッズ

離乳食を始める前に、最低限そろえておくと便利なグッズは以下の7つです!

おすすめ商品にAmazonのリンクを貼っているので、持っていないグッズに関してはクリックしてみてください。

製氷皿はまとめて作った離乳食を入れて冷凍保存する時に便利です。

離乳中期以降ではマグや子ども自分で使うスプーン等も必要になりますが、これらは必要になってから揃えればOKです。

質問②:発達がゆっくりな子の進め方は?

発達がゆっくりな子の場合には、月齢を目安として離乳食を進めることが難しい場合が多いです。

なぜかというと、食べるために必要な口腔機能もゆっくりと進む子が多いからです。

この記事で紹介した口腔機能の育ち方を目安に離乳食の形態(固さ)を調整していく必要があります。

このあたりは言語聴覚士などの子どもの摂食に関する専門家と一緒に進められると良いかもしれません。

ダウン症を持つ子に関しては【ダウン症の離乳食の進め方】の記事で解説しているので、併せてお読みください。

ダウン症児の離乳食の進め方の目安-いつから?どのように?-:摂食嚥下機能の発達の特徴

質問③:初めて食べる食品の注意点は?

初めて食べる食品は午前中に1さじだけあげるようにしましょう。

なぜ午前中かというと、食物アレルギーの反応が出た場合に、すぐに医療機関につれていける時間帯を選んでほしいからです。

初めて食べる食品については、食後30分くらいはよく観察するようにしておきましょう。

まとめ:発達を知って離乳期を楽しもう!

この記事では『基本的な離乳食の進め方』を解説しました。

離乳期の口腔機能は単独で育つのではなく、その他の様々な発達と関連し合いながら育ちます。

もう一度、この記事で解説したことを列挙します。

離乳期を通じて、子どもたちは様々な力を獲得します。

その一方で、まだまだそれぞれの機能は未熟であることも忘れないでほしいと思います。

離乳期の発達は個人差も大きいので、焦らず、子どもの発達の状態に合わせて無理なく・安全に進めましょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA