
「うちの子、なかなか色の名前が覚えられなくて心配だわ。でも、色の名前ってどうやって教えてあげたらいいんだろう?『これは赤!』『これは青!』みたいな教え方でいいのかな。」
このような疑問におこたえします。
- 色の概念の発達を3ステップで解説
- 覚えやすいのは基本色
- 言語発達が全体的に進むことも必要



言語聴覚士として、発達がゆっくりであったり、能力がデコボコしているお子さんの「ことばの発達」を支援しています。
色の概念の教え方ってむずかしいですよね。
何回いっても覚えてくれない・・・。そのような場合には教え方を少し工夫してみるがオススメ!
この記事では、色概念の発達を3ステップに分けて解説します。
記事を読み終わる頃には、お子さんの発達がどの段階にあって、何をしてあげると良いのかが分かると思います。
それでは、さっそくお読みください!
目次
色の名前を覚えるまでに大切なこと【幼児期の言葉の発達】



色の名前を覚えるためには以下の3ステップが大切!
- 同じ色を合わせる:マッチング
- 特別な色が出てくる:好きな色
- 身近なものと色を対応させる
3つのステップに分けて発達を解説します。
ステップ①:
同じ色を合わせる(マッチング)が色概念の発達に大切
色の概念を覚えるためには、「この色とこの色は同じ!」ということが分かることが必要です。
このような色の違いを見分けることができるようになることが、色概念の獲得の第一歩です。
では、色の区別をどのように育てていけば良いのでしょうか?
遊びの中で楽しみながら育みましょう!
物の『色』に注目できるように遊びの中で促してみましょう。
- 同じ色のブロックを組み合わせる。
- 色別にミニカーを並べる。
- プラステン(以下)で遊ぶ。
など、まずはおうちにある玩具の中で色遊びに使えそうなものを探して取り組んでみると良いと思います。
ステップ②:
特別な(好きな)色が出てくるが色概念の発達に大切



「僕は青が好き!」など、色の区別がつくようになってくると好きな色が出てくる子が多いです。
好きな色が出てきた時期には、子どもの好きな色でそろえてあげることも大切。
子どもの好きな色を日常の中に
毎日、青のお洋服というわけにはいかなくても、スプーン、歯ブラシ、コップくらいなら子どもの好きな色にしてあげても良いかなと思えますよね。
最初に覚える色の名前は好きな色であることが多いです。子どもは好きなことはすぐに覚えてくれるので、好きな色が出てきた時がチャンスですね。
ステップ③:
身近なものと色を対応させる力が色概念の発達に大切
見の周りの物の『色』への興味は育ってきたけど、まだ色の名前は言えないといった時期には、子どもが既に知っている物の名前と対応させるように色を覚えさせるのも良いと思います。
たとえば、「りんごの“あか”」「ばななの“きいろ”」など、「物+色」のフレーズで覚えるようなイメージです。
最初はフレーズで覚えよう
最初はフレーズで丸暗記して「りんごの赤」などと言いますが、それでOK。
子どもの思考の順番としては
- 「この色なんだっけ?」
- 「りんごの色だ」
- 「“りんごのあか”だから」
- 「“あか”だ!」
といった感じですね。
フレーズの中から必要な情報を切り取るように考えて、色の名前を言えるようになってきます。遠回りのようですが、こうやって考えているうちに定着していく子が多いですね。
あなたも英語を覚える時に、まずはローマ字読みをしてスペルを覚えた経験がありませんか?
たとえば、「チルド(child)」→「チャイルド」みたいな。
自分の得意な方略で覚えてしまって、一般的な覚え方に落とし込んでいけると良いと思います。
最初は基本色から覚えよう
子どもたちを見ていると最初は基本色が覚えやすいようです。
赤、青、黄、緑あたりでしょうか。
低年齢の子ども向けの絵本は色鮮やかなものが多いですよね。
きっと、このような基本色が子どもたちは好きなんだと思います。
言語発達が進むことも大切
色の概念は抽象的な概念です。
抽象的な概念は名詞などの具体的なことばに比べると、子どもたちは習得に苦労することが多いです。
形容詞や数概念なども抽象的な概念のひとつ。これらの語いを獲得できるくらいに言語発達が進んでくることも、色の概念を獲得するためには必要です。
抽象概念の獲得がポイント
具体的には、「大小」や「長短」などの少し抽象的な概念が分かるようになってくると色の概念も深まってくる子が多いです。
あまり色概念の獲得のみにこだわらず、その他の概念が広がってきたら、自然と色概念も獲得していたなんてことも良くあります。
まとめ:幼児期の言葉の発達に大切な『色概念』を育てる3ステップ



以下のステップで子どもがどこの段階にいるのかを把握できると、どこから練習すべきかが見えてきます。
- 同じ色を合わせる:マッチング
- 特別な色が出てくる:好きな色
- 身近なものと色を対応させる
お子さんの色の概念の発達がどこまで進んでいるのかを遊びの中で把握してみましょう。
現在の発達の段階が分かったら、まずはその段階を繰り返しながらバリエーションを広げることを目標としましょう。
例えば、「赤」をマッチング(同じ色を集める)できるようなら、「青」「黄」など色の種類を増やしたり、たくさんの色の中から「赤」を見つけてマッチングしたり。
それぞれの段階を充実させていくことで、次の段階にステップアップすることがスムーズになります。
【子どもの発達に合わせたおもちゃ選びのコツ】の記事では、おもちゃ選びで大切にしてほしい視点を解説しています。
具体的に療育で使用されることの多い【概念に関する語いを広げる玩具】については、以下の記事で紹介しています。併せてお読みください。


当サイトでは【言葉の発達に大切なこと | ゆっくり?遅れてる?言語聴覚士が完全解説!】の記事に、ことばの発達に関する記事をまとめて紹介しています。
ことばの発達の順番に記事を並べていますので、お子さんの発達の状態に合わせてお読みいただけます。
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