ことばの発達に重要なジェスチャー・擬音語・擬態語

「ことばの発達にジェスチャー擬音語・擬態語が大切らしい。でも、なんでことばの発達にジェスチャーが大切なんだろう?擬音語・擬態語ばかりじゃ正しいことばを覚えないんじゃないかと心配。毎日の生活の中でどのように子どもと関わったら良いのかも知りたいな」

こういった疑問にこたえます。

この記事の内容

  • ことばの発達に身振り・ジェスチャーが大切な理由
  • 子どものジェスチャーにことばを添える関わりがオススメ!
  • 擬音語や擬態語はことばを育てる!

この記事を書いた人

Twitter(@hagukumichild

この記事を書いている僕は、言語聴覚士として「ことばの発達」がゆっくりなお子さんたちを支援しています。その経験と知識から『ことばの発達とジェスチャー・擬音語』について分かりやすく解説します。

ジェスチャーや擬音語・擬態語は、ことばの発達を促すことが分かってきています。

なぜなら、子どもたちはジェスチャーや擬音語・擬態語をとおして、ことばを効率的に学ぶことができるからです。

特に、ことばで話す前~話し始めの段階の子どもたちには、毎日の生活の中で意識的に使ってあげることをおすすめしています。

この記事では、『ことばの発達にジェスチャーや擬音語・擬態語が大切な理由』を説明したうえで、生活の中でどのように取り入れるべきかをご紹介します。

それではさっそくお読みください。

ことばの発達にジェスチャーや擬音語・擬態語が大切な理由

子どもたちは、「ジェスチャー」→「擬音語・擬態語」→「成人語」といった順番で意思表現を発達させます。

たとえば、両腕を広げて『ひこうき』をジェスチャーで表現していた時期から、「ビューン」と擬音語で表現し始め、次第に「ひこうき」と音声で表現できるようになります。

要するに、『ジェスチャー』や『擬音語・擬態語』は、ことばで話せるようになる前段階としてほとんどの子で経験するということです。

では、ジェスチャーや擬音語・擬態語は、なぜことばで話せるようになる前段階として重要なのでしょうか。

ジェスチャーがことばの前段階として大切な理由

ことばが分かるようになってきたけど、まだ話すことはできない時期に、ジェスチャーでの表現は子どもたちの要求をかなえるために大切な手段です。

ジェスチャーは、ことばで話すよりも簡単なため、子どもたちは話し始めるよりも先に身振り・手振りで表現し始めます。

このジェスチャーによる表現が、『自分の気持ちが伝わった!』という経験につながり、コミュニケーションの意欲を高めます。

コミュニケーション意欲は『ことばで話す力の土台』となるため、ジェスチャーで気持ちを表現する経験は、ことばの発達に大切というわけです。

コミュニケーション意欲(伝えたい気持ち)が、ことばの発達に大切である理由については、以下の記事で詳しく解説しています。

【重要】子どものことばの発達に大切な3つの側面【車に例えて解説】

擬音語・擬態語がことばの前段階として大切な理由

擬音語・擬態語は『言いやすく・覚えやすい』という特徴があります。

なぜなら、「トントン」「ピョンピョン」のように音が繰り返されてる語いがほとんどです。

このような音の繰り返しは、記憶力が未熟な子どもたちには覚えやすく、言いやすいです。

最初から成人語のような様々な音が含まれる単語を覚えるのが難しいので、単純な音の繰り返しできている擬音語・擬態語から子どもたちは学習するんですね。

擬音語や擬態語は、動詞をあらわすことも多いです。【動詞の語いを増やす関わり(note記事)】でも解説しているので、ごらんください。

ジェスチャー・擬音語・擬態語を育てる関わり

上記のように、ジェスチャーや擬音語・擬態語は子どものことばの発達の土台になります。具体的には、以下の2つを生活の中で意識すると良いと思います。

  1. 大人がジェスチャーを使って子どもに関わろう
  2. 子どものジェスチャーにことばを添えよう
  3. 擬音語・擬態語を使って子どもに関わろう

大人が身振り・ジェスチャーをたくさん使って関わろう

身振りやジェスチャーを交えたやりとりは、子どものことばを発達させることが分かってきています。

子どもの言語は、最初は両手を広げてジェスチャー(だっこ)のみ➔「っこ」+ジェスチャー➔「だっこ」といったように段階的に発達していきます。

とはいえ、いきなりお子さんが身振り・ジェスチャーを使うことはできません。

まずは、大人がジェスチャーを使ってお子さんと関わってあげることで、モデルを示してあげましょう。

両腕を左右に広げて「ぶーん」と飛行機の真似をしたり、両手を頭にあてて「ぼうし、かぶろうか」と声かけをしてあげると良いと思います。

お子さんがジェスチャーを使えるようになるためには、まずは周囲の大人が使うジェスチャーの意味を理解することが必要です。

この時期は手遊び歌などもたくさん聞かせて・やって見せてあげると喜ぶと思います。

ジェスチャーで表現しにくい語いは手話で代用

基本的には、ジェスチャーはお子さんが分かりやすければどのようなものを使っても良いと思います。

しかし、日常でつかう語彙の中には、ジェスチャーで表現がしにくい単語もあるかと思います。

例えば、「りんご」「みかん」などは、ジェスチャーで表現することが難しいですよね。

これらの単語をジェスチャーで表現する際には、手話が参考になります。

手話の中には、その手の動きから意味が推測しやすいものがたくさんあります。

たとえば、みかんは皮をむくような手の動きで意味を表現します。

分かりやすい書籍もたくさん出ているので、参考にしていただけると良いかもしれません。

子どものジェスチャーにことばを添えよう

子どもが使用したジェスチャーに大人がことばを添えるように関わってあげることは、子どもが音声で表現する力を発達させるのに役立ちます。

たとえば、子どもが「飲むジェスチャー」で飲みものを要求したときに、「あっ!飲みたいんだね」などというように大人がことばを添えてから要求をかなえてあげるような感じで関わってみましょう。

ジェスチャーは言語獲得を妨げない

でも、ジェスチャーばかりやらせていたら、ことばで話さなくなりませんか?

実際のことばの指導の中でも、保護者の方からこのような質問をいただくことは多いです。

この質問への回答は、Zampini et al.が検証してくれています。

この研究の対象はダウン症をもつお子さんで、ことばの発達が全体的にゆっくりな子たちです。

この子らの「ジェスチャーの種類と総数」、「表出語彙の種類と総数」を評価したところ、表出語彙が増える前はジェスチャーが優位なものの、表出語彙が増えてくるとジェスチャーの使用は減少していました。

すなわち、ジェスチャーは言葉が出る前に一時的に使用が増えるものの、表出語彙が増えてくるとジェスチャーはことばに置き換わっていくといえるでしょう。

これはおそらく、意思伝達の手段として、ジェスチャーよりもことばの方が子どもたちにとって便利だからだと思います。

ジェスチャーは遠くの人に届けにくいですし、手がふさがっていると伝えられないことも多いです。

その一方で、ことばは少し遠いところでも届けることができ、両手におもちゃを持っていても伝えられます。

子どもたちは、ジェスチャーよりも効率的に意思伝達できる方法(音声)へと伝達方法をシフトしていくと考えられます。

よって、ジェスチャーをたくさん使うことは、むしろ言語獲得には有利であり、ジェスチャーが増えてきたら「そろそろ語彙が広がるかな?」と期待しても良いことが多いのかもしれません。

擬音語や擬態語をたくさん使いながら遊ぼう

簡単に言うと、子どもたちにとって「わんわん」「ぴょんぴょん」などの繰り返しのある擬音語は覚えやすいことばとなります。

また、「びゅーん」「しゅっ」などの擬態語も、ことばから意味が想像しやすいものとなります。

生活の中で、このような擬音語や擬態語をたくさん使って関わってあげながら、まずは理解できることばを増やすことを目標としましょう。

お子さんがみているもの、やっている動作に対して、その場その場で実況中継するように声かけしてあげると子どもたちはことばを覚えやすくなります。

擬音語や擬態語の理解がことばを発達させる根拠

ことばを話せるようになる前に、子どもたちはことばを理解できるようになります。

そして、ことばはいきなり大人が使う言葉を理解できるようになるのではなく、擬態語や擬音語の理解から始まる場合が多いです。

興味深いことに、私たち大人は小さいお子さんと関わる時に、自然と少し声が高くなり、おおげさなイントネーションで、擬音語・擬態語を多く用います。

これは、Infant-directed speech (IDS)やマザリーズなどと呼ばれており、日本語に限らずほとんどの言語でみられる子どもに対する大人の関わり方です。

このIDSやマザリーズは、子どもの注意を大人にひきよせるのに役立っており、ことばを覚えることにもプラスの影響を与えることが分かっています(例えば、Englund et al., 2020

まとめ:ジェスチャー・擬音語・擬態語でことばを育てよう

ジェスチャーや擬音語・擬態語がことばの発達に大切であることを解説しました。

毎日の関わりの中で以下の3つのポイントを意識して関わることで、ことばの発達に良い影響を与えられると思います。

  1. 大人が身振り・ジェスチャーをたくさん使って関わる
  2. 子どものジェスチャーにことばを添える
  3. 擬音語や擬態語をたくさん使いながら遊ぶ

これらは、ことばが出る前の子どもたちには、特に大切にしていただきたい関わりのポイントです。

加えて、お子さんの発達の状態に合わせたおもちゃを選ぶことで、楽しみながら発達を促すことができます。【子どもの発達に合わせたおもちゃを選ぶコツ】の記事でも解説していますので、併せてお読みください。

その他にも、以下の記事ではおすすめの玩具も紹介しています。おもちゃ選びの参考にして頂けるとうれしいです。

5ステップでことばを促す!発達がゆっくりな子にもおすすめのおもちゃ

当サイトでは【言葉の発達に大切なこと | 全12記事で解説!言語発達遅滞の支援方法】の記事に、ことばの発達に関する記事をまとめて紹介しています。

ことばの発達の順番に記事を並べていますので、お子さんの発達の状態に合わせてお読みいただけます。

言葉の発達に大切なこと
【言語発達遅滞の支援方法】を読む

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