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言葉の発達に大切な共同注意:子どもと興味を共有しよう

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「うちの子、ことばがなかなか出てこなくて心配。ことばを育てるためには、どんな関わり方をしたら良いのかな?生活の中にすぐに取り入れられるようなコツがあるなら知りたいな」

こういった疑問にこたえます。

この記事の内容

  • 相手と同じ対象に注意を向けることを共同注意という
  • 共同注意は「ことば」を育てるために大切
  • 生活の中で共同注意を成立させるコツ

この記事を書いた人

この記事を書いている僕は、言語聴覚士としてことばの発達がゆっくりなお子さんたちの療育にたずさわっています。その経験と知識から分かりやすく解説します!

今回のテーマとなる『共同注意』とは、相手と同じ対象に注意を向けることを意味します。

たとえば、相手と同じ見る、相手と同じもの聞く、相手と同じことをイメージするなど、僕らは生活の中で頻繁に共同注意は経験しています。

そして、この『共同注意』は『ことばの発達』を促すことが数多くの研究結果で明らかになってきています。

この記事では、共同注意をうまく成立させて、子どもに効率よくことばを学習させる3つのコツを紹介します。

  1. 向かい合って遊ぶ
  2. おおげさにリアクションをする
  3. 子どもが見ている物の名前を言って聞かせる

それでは、さっそくお読みください。

言葉の発達に大切な「共同注意」とは?

共同注意

自分と相手との間で対象となる物や出来事への注意を共有することを『共同注意』といいます。

例えば、母親がおもちゃを指さし、子どもが母親の指さしを見てから指の先にあるおもちゃを見る、といった感じで日常の中では確認されます。

このような『見る』共同注意に加えて、相手と同じものを『触る』、相手と同じ音楽を『聴く』、相手と同じ出来事を『イメージする』など、共同注意には様々なバリエーションがあります。

共同注意に関しては、こちらのページ(外部リンク)に詳しく解説されていたので、ご覧ください。

共同注意が言葉の発達に大切な理由

共同注意は、子どものことばの発達を促進することが分かってきています(Baldwin, 1991)。

共同注意場面では、子どもが「ママ、見て」などと興味を持っている物を親に見せようとし、親は「本当だ!ブロックあったね」などとその物の名前を言って聞かせる等のやりとりにつながりやすいです。

ようするに、共同注意が成立する場面では、こどもがことばを学習する機会が豊富に提供される場合が多いといえます(Libertus et al., 2016)。

実際に、親子の共同注意を多く経験した児ほど、その後の理解語彙が多かったとする研究結果は多くあります(例えばZampini et al., 2015)。

これらの研究結果から示されているように、共同注意はことばの発達にとても大切な役割を担っていると考えられます。

要するに、遊びの中で共同注意が成立することで、子どもが見ているものの名前が大人から与えられる機会が増え(学習機会の増加)、その結果として理解できる語彙が増加するといえます。

共同注意で言葉の発達を育てるコツ

毎日の生活の中で、共同注意を成立させるコツはあるのでしょうか?

以下の3つが共同注意を成立させ、ことばの発達を促すコツです。

  1. 向かい合って遊ぶ
  2. おおげさにリアクションをする
  3. 子どもが見ている物の名前を言って聞かせる

コツ①:向かい合って遊ぶ

相手と視線を合わせてアイコンタクトをとりながら遊ぶことは、ことばの発達に重要であることが分かってきています。

興味深いことに、アイコンタクトは『これから、あなたに大切なことを伝えますよ』といったキューになり、子どもたちはアイコンタクト後に与えられた言葉から効率的に学習できる可能性があるといわれています。

自然と相手の顔に注意が向きやすい環境を設定するため、向かい合って遊ぶ時間を大切にしてあげてください。

コツ②:おおげさなリアクション

大人のおおげさなリアクションは、子どもの注意をひきつけ、あなたが出したメッセージを効率的にお子さんに届けます。

相手と同じものを見ること、すなわち「自分―物―相手」の三角形(三項関係)をつくることは、ことばの発達にとても需要です。

この三項関係を成立させるためには、子どもが相手に注意を向けることが必要です。

大人のおおげさなリアクションにより、子どもが相手に注目することを助け、効率的に三項関係を整理させることができます。

それに、子どもにとっては自分の言動によって大人が大きく反応してくれることは楽しい経験ともなり、コミュニケーションの意欲を育てることにもつながります。

コツ③:子どもが見ている物の名前を言って聞かせる

子どもは、共同注意が成立している場面で言われたことばをより効率的に学習します。

相手と同じものを見ている状態(共同注意)を成立させるために、子どもが見ている物を大人も見てあげましょう

もともと子どもが見ている物に大人が注意を向けることで、自然と共同注意が成立します。

そして、共同注意が成立している(子どもと大人が同じものを見ている)状況で、子どもが見ている物の名前を言いながら関わってあげてください。

例えば、お子さんが地面を歩くアリをみていたら、「ありさん、いたね」「ありさん、小さいね」等と声かけをしてあげると良いでしょう。

子どもが感じていそうな気持ちを代弁するように、その場その場で実況中継・ナレーションを入れていくようなイメージです。

大人から「見て見て!」と子どもの興味をひくのではなく、子どもの興味に大人がのっかるように関わることがポイントです。

まとめ:共同注意は言葉の発達に大切なこと

相手と同じものに注意を向けている状態である共同注意とことばの発達の関係について解説しました。

共同注意を自然と成立させて、効率よくことばを学習する機会をつくるための関わりのコツをまとめると以下の3つです。

  1. 向かい合って遊ぶ
  2. おおげさにリアクションをする
  3. 子どもが見ている物の名前を言って聞かせる

これらは、ことばが出る前の子どもたちには、特に大切にしていただきたい関わりのポイントです。


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