国語のひらがなを覚えるのが苦手(低学年):つまづきの理由は?

「うちの子、国語が苦手みたい。でも、国語の何につまづいているのかイマイチよく分からないわ。何が分からなくて、どう支援してあげれば良いのだろうか?つまづきの理由と具体的な支援方法を知りたいな」

こういった疑問に答えます。

低学年(1~2年生)の国語の学習内容は、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」で構成されています(文部科学省「学習指導要領」より)。

このうち、学校のテストなどでは「書くこと」「読むこと」に関するスキルが求められることが多いです。

そのため、「国語が苦手」といった場合には「書くこと」「読むこと」の苦手さのことをいっていることが多いかと思います。

本記事では、国語の学習目標の一つである「読むこと」について、「音読」「読解」の2つに分けて、小学校低学年でつまづきやすいポイントを整理し、苦手さに対する教え方や支援方法を解説します。

お子さんがどこにつまづいているのか、どのような支援が必要なのかに気付ければ、今日からの取り組みに活かすことができます。

さらに、最近では テレビ・ゲームを利用した学習タブレット学習、本の楽しみを得るための読み上げソフトなど、多様な学び方が提案されるようになってきました。

これらについても、紹介していこうと思います。

この記事を書いた人

私は、言語聴覚士という国家資格を保有しており、主に発達障害などをもつお子さんたちのことばの指導を行っています。

発達に障害をもつお子さんに「読み」「書き」を教える場合には、通常よりも細やかな配慮と教え方にコツが必要な場合が多いです。

しかし、お子さんたちに分かるように伝えてあげることで、学習へのモチベーションを保ち、着実に積み上げていくことができます。

今回はその経験と知識から、国語が苦手なお子さんの理由を整理した上で、支援方法の例を紹介します。

ぜひ、最後までお読みください。

国語のひらがなを「読むこと」の苦手さは【音読・読解】に分けて考えよう

漠然と「国語が苦手」といわれても、何につまづいていて、どのように教えてあげたら良いのかが分からない場合は多いと思います。

そのような場合には、「音読」「読解」に分けてお子さんの国語の習得状況をみると、教え方や支援の方法がみつかるかもしれません。

  • 音読(文字を読むこと)
  • 読解(文字で書かれた内容の意味を理解すること)

つまづきの理由①:音読の苦手さ

音読の苦手さを考える時には、以下の2つのポイントを検討することが大切です。

  • 正確性:1文字ずつを正しく読む力
  • 流暢性:早くスムーズに読む力

音読を考える時に、1文字ずつを正確に読めるかどうかが注目されがちです。

しかし、単語や文章を読むためには、1文字ずつたどるように読む状態(逐次読み)では、読むことに精一杯で内容を理解するにいたらないことも多いです。

例えば、「あ、、し、た、、、は、こ、、う、、、、え、、ん、の・・・」といった具合に読んでいたのでは、読みながら内容を理解することが難しくなります。

そのため、音読の速度を上げ、流暢に読めるようになることも、以下の読解を可能にするために重要な要素となります。

つまづきの理由②:読解の苦手さ

読解が苦手な場合には、以下の2つの可能性を考えてみましょう。

  • 語いが少ない
  • 音読が未熟

正しく読めた単語でも、その語いを理解していない場合には「読めても意味が分からない」といった状態になってしまいます。

例えば「さんかよう」を読んで、どのようなものか分かりますか?

サンカヨウとは、和歌山県などで見ることのできる水に濡れるとガラス細工のように透明な花びらになる珍しい植物です。

流暢に文字は読めけど単語の意味が分からないことが多い場合には、理解できる語いを増やしていくことが国語の力を上げるために必要かもしれません。

また、正しく読むことができても、音読のスピードがゆっくりだったり、逐次読みであったりすると、読むことだけで精一杯で内容を読み取る余裕がない場合があります。

音読の速度がゆっくりで逐次読みが目立つ場合には、音読(文字を流暢に読む)のスキルを上げていく必要があります。

国語のひらがなの苦手さへの具体的な支援方法

上記の「音読の苦手さ」「語いの少なさ」に対して、小学校低学年における支援方法の例を紹介します。

支援方法①:音読の苦手さへの支援

1文字ずつの読みを定着させる

ひらがなの音読に曖昧さがある場合には、単語や文の音読が難しくなります。

まずは、すべてのひらがなを正確に読めるようになることを目指した支援を行いましょう。

文字を覚えるときに、「ひたすら書く」「何度も書きまくる」といった覚え方が昔は主流でした。

しかし、これでは読み書きが苦手な子にとっては苦痛です。

以下のような「文字」と「意味」を組み合わせて覚えるような学習方法が向いているお子さんも多いです。

まず、「覚えたい文字」と「覚えたい文字の音から始まるイラスト」を用意します。

①「これは、おにぎりの【お】」「おにぎりとこの文字は仲間だよ」といった具合に、イラストと文字のペアを視覚的に覚えてもらいます。

②先ほど覚えたイラストと文字のペアを何度か繰り返しながら覚えてもらいます。その際に、「お」という文字をみたら「おにぎり」が頭に思い浮かぶようになっていればOKです。

③最終的には、「おにぎりの【お】」から「お」と読むように伝えていきます。

ひらがな学習について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事もお読みください。

【ひらがなが読めない?】音読の習得に必要な4つのポイント:土台となる力を固めよう

単語の流暢な読みを目指す

ひらがな1文字ずつが読めるようになると、次は単語の流暢な読みを目指していけると良いと思います。

これには、単語を読んでその内容を理解する経験の積み重ねが大切です。

例えば、スーパーに行くときに「買う物リスト」のようなものを持たせて、1つずつ読んで対応する品物を持ってくるなどの練習も良いでしょう。

最近では、テレビゲームを使ったひらがなの学習ソフトも考案されています。

以下の読むトレGO!はひらがな1文字ずつがまだ読めない子には少し難しいですが、1文字ずつは読めるけど流暢に読めない、漢字の習得にもつまづいているといったお子さんには楽しみながら学べる良い教材だと思います。

スイッチのゲームでひらがなの練習:読むトレGO!の評判

支援方法②:語いの少なさへの支援

語いが少ないお子さんの場合、以下の理由が考えられます。

  • もともと言語発達がゆっくりめ
  • 読みが苦手であるがゆえに読書から遠ざかっている(本から知識や語彙を得られていない)

もともと言語発達がゆっくりめに進んできたお子さんの場合、通常の会話での意思疎通には困らないほどに成長したとしても、習得されている語いはやや少ないままであることも少なくありません。

また、音読が苦手なお子さんの場合、「読むのが苦手だから本の音読は疲れる・・・」と読書から遠ざかっている場合が多いです。

日常会話で使われている語彙については大体理解できるようになった子たちは、その後は読書などの文字言語から知識や語いを増やしていきます。

これは、日常会話で使用される語いは限られていますが、本の中にはたくさんの語いや言い回しが詰まっているからです。

でも、読むことが苦手な子なので、日常的に本を読ませることは難しい・・・

「読むことが苦手」なのであれば、「読み聞かせる」ことによって本の内容にふれる機会をつくっていきましょう。

まず、言語発達がゆっくりなお子さんの場合には、小学校低学年のうちは挿絵(イラスト)が描かれている絵本の読み聞かせがおすすめです。

絵本の読み聞かせであれば、お子さんが知らない単語が出てきた時に、イラストと照らし合わせて確認することができます。

お子さんの理解の程度に合わせて、読むスピードや読み方を変更できる点も、読み聞かせのメリットです。

ある程度の理解力がついてきたお子さんであれば、読み上げツールを利用した「聞く読書」もおすすめです。

お子さんの年齢が上がってくると親の読み聞かせではあまりのってこない場合もあるかと思います。

そういった場合に、ネット上で自分で読みたい本を選んで、読み聞かせツールを使って本を「聞いて楽しむ」ことができれば、その経験の中から本に登場する語いや言い回しを学ぶことができます。

読み聞かせのツールは色々とありますが、Amazonから出ているオーディブルも優秀です。

興味があれば以下の記事もごらんください。タイトルに「学習障害」と書いてありますが、診断の有無に関わらず「読みの苦手な子」に有用だと思います。

学習障害の子に読書を!読み上げツールの利用:Amazonオーディブル

学習障害という考え方(国語のひらがなが特別に苦手)

言語発達や対人関係、その他の生活スキルなどの発達は問題ないにも関わらず、読み書きだけの苦手さが目立つ子がいます。

そういった子の中には、産まれながらの脳の機能異常から文字学習に通常よりもコツが必要なお子さんが存在し、学習障害と診断される場合があります。

診断については、医療機関で相談されると良いと思います。

学習障害(LD)とは?特徴と症状、支援の考え方を分かりやすく解説

「なまけ」や「あまえ」のせいではない?!

学習障害をもつがゆえに、国語が苦手(音読・読むことが苦手)なお子さんの場合、これまでの学習を怠けていたわけでも、あまえから学習を避けていたわけでもありません。

うまく学ぶことができなかったために、読むことを避けたり、国語がきらいになっているお子さんたちも多いです。

お子さんの勉強スタイルにあった学習方法を提案したり、お子さんの習得状況・学習の進み具合に課題の難易度を合わせてあげることで、モチベーションを維持して取り組めるようになる場合もあります。

本記事でも紹介してきたような学習方法・学び方が、お子さんの国語の学びに少しでも役立てていただけそうなら幸いです。

通信学習の中でも、お子さんの習得状況・学習の進み具合に合わせて学べるようなものが出てきています。

具体的には、お子さんの国語の習得状況が1年生レベル、算数は3年生レベルといったように教科によってバラツキ・凸凹があったとしても、子どもの能力に合わせた問題が提供されます。

「分かった!」をたくさん経験して、学習への意欲・モチベーション、学ぶことの楽しさを育てましょう。

【決定】発達障害の子におすすめのタブレット学習の選び方【おすすめベスト3】

まとめ:発達・成長の状態に合った学習支援で確実に伸びる!

本記事では、国語の苦手さを「音読(読むこと)」「読解(理解すること)」に分けて考えました。

そして、「音読(読むこと)」と「読解(理解すること)」のそれぞれについて、具体的な支援・学習方法について紹介しました。

単語を流暢に読めるようになるためにテレビ・ゲームを利用した学習タブレット学習、本の楽しみを得るための読み上げソフトなど、最近では多様な学び方が提案されるようになってきました。

それぞれにメリット・デメリット、お子さんへの合う・合わないがあるかと思います。

「お子さんに合いそうだな」「これなら楽しく学べそうだな」といったものあれば、試してみるのがおすすめです。

いろいろな教材や方法がありますが、結局は試してみないとお子さんに合うかどうかが分かりません。

年齢が小さいうちに、できるだけ早い段階で支援してあげることで、その後もモチベーションの保ち方も変わってくると思います。

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